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What's this?

「必要なときに必要な量だけ」の
 究極のモノづくり!?
 環境・生活・社会を彩る
 インクジェットが描く未来とは。

あらゆる分野の製品でニーズが高まる多品種小ロット生産。
「インクジェット技術」は、これを低コストかつフレキシブルに実現し、
在庫削減や環境負荷低減にもつながることから、近年注目されています。
このインクジェット技術を、自社製品の製造ラインに組み込んで活用したい。
そんなご要望にお応えするのが、カスタマイズインクジェットシステム導入支援サービス
「FUJIFILM Integrated Inkjet Solutions(FIIS)」です。プラスチックやガラス、
金属などの食品類パッケージや日用品、建材、自動車など、多様なモノづくりに対応。
ビジネスにイノベーションを、社会にサステナビリティを。
そして毎日の暮らしに彩りをお届けします。

既存の製造ラインへの組み込みで
多品種小ロット生産を高品質・高生産に実現

近年、地域・期間限定品や、キャラクターごとにデザインを多種類展開するコラボレーショングッズ、テストマーケティング向けの極小ロット生産など、多品種小ロット生産のニーズがさまざまな市場で増えています。また、製造の下流工程でバーコードやパッケージの一部デザインなどを追加で印刷し、印刷資材在庫や廃棄ロスを削減しようとするニーズも強まっています。

こうしたニーズを実現するインクジェット技術を、既存の製造ラインに組み込むためのお手伝いをするのが、富士フイルムのカスタマイズインクジェットシステム導入支援サービス「FUJIFILM Integrated Inkjet Solutions(FIIS)」です。

「FIIS」は、版が必要なアナログのオフセット印刷の画質を凌駕したデジタル印刷機「Jet Press 750S」で当社が培ってきた、高度なインクジェット技術を活用したサービスです。長年研究・開発を続ける写真技術や、多様な素材への印刷を実現してきた産業用インクジェット技術も駆使し、モノづくりのより幅広い分野のニーズに応えるために、お客さまの用途に合わせてカスタマイズしたインクジェットシステムを、お客さまの製造ラインに構築します。もちろんシステム設計からアフターフォローまで、フルサポートします。

さらに「FIIS」は、金属やプラスチック、木、布、不織布などお客さまが印刷したいさまざまな基材にシステムを最適化してご提供できます。このため、商業印刷分野はもちろん、スキンケア・コスメ、食品などの容器や軟包装への印刷といったパッケージ分野、テキスタイルへの加飾、フローリングや化粧シートなどの建材分野などでインクジェット技術がご利用いただけるようになるのです。

「FIIS」の最大の強みは、インクジェットシステムの三大コア技術である「プリントヘッド」「インク」「画像処理」のすべてを自社グループで開発・製造し、インテグレーションして提供することにあります。これにより、産業用途に不可欠の高画質と製造ラインを止めない信頼性を実現します。

FIISの幅広い応用例

FIISがモノづくりにもたらすイノベーション
マーケティングも変え、環境課題にも貢献!

画質、生産性、小ロット対応、そして信頼性に優れた産業用インクジェットシステムを、幅広い用途の製造ライン内でカスタマイズできる「FIIS」。メーカーやブランドオーナーによるモノづくり工程の中で、従来は社外に依頼することの多かった印刷・加飾工程を自社の製造ラインに組み込むことで、多くのメリットをもたらします。

その一つが、必要なときに必要な分だけをスピーディーに印刷できること。FIISによるインクジェットシステムでは、印刷用の版が不要なため、大量の印刷在庫や版の在庫も不要になります。立ち上げ準備なども不要で操作に習熟もいらず、生産コストが大幅に削減できます。

例えばパッケージ分野においては、製品メーカーは従来、外部の印刷会社に各製品の包材印刷を依頼しており、その印刷済みの包材を大量に在庫し、自社などで充填・包装をしていました。そのため、同じブランドデザインで「種類違い」「容量違い」などの製品を一つの充填・包装ラインで作るケースでも、その都度、製品ごとの「包材の準備・切り替え」が必要でした。この充填・包装ラインに、FIISによってパッケージ印刷も内製化することで、大量の在庫の削減、大幅なダウンタイム削減も可能になります。

また、出荷直前の表示変更や、タイムリーな話題を製品パッケージに即時印刷することも、消費者層ごとのバリアブル印刷をした製品の製造も、より低コストに、短いリードタイムで自在にできるようになります。

eコマースなどにおいては、お客さまに製品を届ける段ボールなどの梱包ラインや製品のパッケージ充填ラインにFIISでインクジェットシステムを導入すれば、お客さま一人ひとりに最適なPR情報を印刷した1to1プロモーションが実現。物を運ぶ配送箱を、お客さまと1to1でつながるメディアとして活用することができます。

建材分野において、これまで建材メーカーでは、グラビア印刷でプリント済みの大量の化粧材を自社に在庫として抱え、印刷会社もグラビア印刷の版を大量保管して増産などに対応していました。しかし、建材メーカーが自社内にインクジェットシステムを持つことで最小限の無地の基材だけを在庫し、さまざまな柄をオンデマンドで作れるようになり、多品種小ロットの商品ラインアップを低コスト・低リスクで用意することも可能になります。

さらに、FIISの導入により、作り過ぎによる製品在庫の廃棄を削減できます。また、版が不要で必要な分だけプリントできるので、インク使用量も最低限に抑えられ、印刷用材料・資材も削減。印刷によって生じる排水や廃液も削減できるため、環境負荷の低減にも貢献します。

FIISの活用事例

ヘッド、インク、画像処理
コア技術を自社グループで開発

「FIIS」は、富士フイルムグループがこれまでに培ってきた極めて高度なインクジェット技術の結晶です。

例えば、1200dpiの高精細印刷を可能にする「プリントヘッド」は、ミクロン(100万分の1メートル)スケールで極小の立体構造や駆動構造、電気回路を形成する富士フイルム独自のMEMS技術によって精密に製造。インクの射出速度と着弾位置(精度)に優れ、その精度はアーチェリーの金メダリストにも相当します。

独自開発のインク循環技術「RediJet技術」により、インクはノズルぎりぎりまで常に循環。乾きやすいインクや、顔料などが沈降しやすいインクを使用する場合でも、ノズルが目詰まりしにくく、安定した高品質を維持します。

※MEMSとは、「微小な電気機械システム」を意味するMicro Electro Mechanical Systemsの略。機械・電子・光・化学など、多様な機能を集積化した微細デバイス全般を指す。

RediJet搭載大滴ヘッド

「インク」については、安定性と画質に優れた水系インクや、速乾性と強度に優れたUVインク、そしてその両者の利点を兼ね備えた「電子線硬化(EB)インクジェットインク」など、高度な素材設計技術を生かし、多種多様な高性能インクを、基材や用途に応じて開発しています。

こうしたプリントヘッドとインクの性能を最大限に引き出すのが、インク滴の着弾や硬化を瞬時かつ緻密にコントロールする「画像処理」技術です。

例えば「Jet Press 750S」ではノズルの数は数十万個にも上り、稼働によって各ノズルの状態はどうしても均一ではなくなり、印刷面にスジが見えるようになります。そこで富士フイルムでは、印刷状態をセンサーで画像認識しながら、膨大な数の各ノズルの吐出量を適宜調整。ヘッド交換のためにラインを止める回数を極力減らしつつ、長時間安定した印刷を実現しています。

不良ノズルと画像処理の例

この3つのコア技術をシステムとしてまとめ上げるためには、それぞれをすり合わせながら完成度を高めていく必要があります。ヘッドだけ、あるいはインクだけでは対応できない課題も少なくありません。そこで効いてくるのが、すべてが自社グループ開発という強みです。それぞれの性能をぎりぎりまで突き詰めることが可能なため、コスト、速度、画質などさまざまな面で、最も適切な性能を引き出すことができるのです。

もちろん、導入や運用については、インクジェット開発の経験豊富な技術者や事業開発担当者が、完全にサポート。お客さまのニーズに最適なインクジェットシステムの提案からシステム設計、ラインへの実装、アフターサービスまで、全プロセスを一貫して支援します。

お客さまの要望に応じて、最適化したイングジェットシステムを提供する「FIIS」。多品種少量はもちろん、これまでになかった基材へのプリントのほか、さらには液晶ディスプレイのカラーフィルターといった、色だけでなく「機能」を付与するようなアプリケーション、機能を発現させるプリンテッドエレクトロニクスのような分野にも活躍の場は広がります。今後ますます重要視されるSDGsへの対応をお考えなら、ぜひご相談ください。

■関連リンク

【取材協力/富士フイルム株式会社 インクジェット事業部】

記事公開:2022年5月
情報は公開時点のものです