では、相手から確実かつ、スピーディーに返信をもらえるメールを作成するには、どのような点を意識すべきなのでしょうか。
まず、先に述べた「返信してもらえないメール」の真逆、つまり「読みやすい」「判断しやすい」「用件が明快」など“分かりやすさ”を追求することが大切です。本連載vol.3、vol.4の記事も参考にしてみてください。
また、「相手が返信するメリット」も明確にしておきたいところ。「返信しないデメリット」を加えることができればベストでしょう。
さらに、面識のない相手は返信をもらう難易度が特に高いため、最初のステップで不審に思われたり、一方的な印象を与えたりしないように工夫する必要があります。まずは自分が何者なのかをしっかりと開示すること。次に、メールを送った経緯(理由)を「要旨」で説明します。この部分が明確になっているだけで、相手は警戒心を解き、メールを読み進めてくれるでしょう。
しかし、それだけでは「返信しよう」とまでは思わないかもしれません。例えば、送信者側の一方的な都合しか書かれておらず、受信者側にとってメリットが感じられない場合はその傾向が強くなります。そういったメールは、定型のテンプレートを使い回していることが多く、受信者側からするとその他大勢の企業の中の1社として扱われているようで、メールから「会いたい」という意欲が伝わらないのです。
では、次のようなメールであればどうでしょうか。
「貴社のWebサイトを拝見して、◯◯のサービスの△△という点に興味を持ちました。弊社の●●において、相性が良さそうだと感じております。弊社では、現在□□□というサービスを提供しており、この内容が貴社の△△△の向上にお役に立てると確信しています。一度、詳しいお話をさせていただけませんでしょうか。」
少なくともメールを送る相手の事業内容をリサーチし、コミュニケーションをとろうとする姿勢が伝わってきます。メールは文字だけで構成されるため、感情を表すことが難しいツールです。だからこそ、面識がない相手にメールを送る際は、あなた自身の言葉で、あなたにしか書けない内容を盛り込むことを大事にしてください。
面識のない相手から返信がもらえるメールともらえないメールの違い
仕事が速い人は、面識がない人とのメールに限らず、メールを書く前に相手の会社のWebサイトやSNSなどを一通りチェックして情報収集し、それを相手に伝えています。メールの返信を確実にもらうには、自分に興味を持ってもらう必要があります。そのためには、まずは自分から相手に興味を持つこと。人は自分に興味を持ってくれる人に対しては、意識を向けようとするからです。ただし、さじ加減を間違えると相手から「何から何まで調べ上げている」「毎日監視されているみたい」と警戒心を持たれてしまうかもしれないので、伝え方には注意が必要です。