医療機器は進化している!
検査の歴史とは
健康診断でもおなじみの「X線(レントゲン)検査」。体内の状態を調べるためには、外科的に体を切開しなければならなかった時代もありましたが、1895年にX線が発見されて以降、X線は医療に応用され、体を切開することなく、外側から体の内部が観察できる画像診断の歴史が開かれました。
X線検査は、より鮮明な画質を追求し、さまざまな臓器や部位の検査へと拡大、技術は進化していきました。X線を用いた検査として、乳がん発見のためのマンモグラフィ(乳房X線撮影)や、体の輪切り(横断面)画像が得られるCT(コンピュータ断層撮影装置)検査も開発されました。画像診断技術は、磁力と電磁波を利用して画像化するMRI(磁気共鳴画像診断装置)検査、超音波を使ったエコー(超音波)検査などへと広がっています。
一方、胃や大腸など消化器系のがんや病気の早期発見には、体の内側から直接観察できる「内視鏡検査」が開発されました。内視鏡検査の歴史は、1950年以降の胃カメラの開発から始まります。胃内壁を撮影し診断していた胃カメラから、「スコープ」と呼ばれる細長い管の先端に小型カメラやレンズを内蔵し、胃や大腸の内部を直接、リアルタイムで観察することができる内視鏡へと進化を遂げていきました。
対象となる部位によってさまざまなタイプの内視鏡が開発され、ときには治療を行うことも可能となりました。画像もより高画質に、体内へ入れるスコープはより細くなり、その柔軟性を高め、検査時の体への負担を軽減するために進化していきました。食道、胃、十二指腸など上部消化管を検査する内視鏡では、口から挿入する「経口内視鏡」のほかに、鼻から挿入できる「経鼻内視鏡」も開発されました。
より負担が少なく、精度の高い検査へと検査機器や技術が目覚ましく進化している中で、過去において検査中に苦しい思いをした経験のある人や、検査は「痛くてつらいもの」との先入観を持っている人など、検査を受けるタイミングを逃しているケースは少なくありません。今回取り上げる「内視鏡検査」と「マンモグラフィ」は、そうしたイメージを持たれがちな検査ですが、どれくらい進化しているのか見ていきましょう。