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次世代を生き抜くための必須制度?
改めて見る「テレワーク」。

働き方改革の一環として推奨されてきた「テレワーク」。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために政府が要請した
「オフィス出勤者の7割削減」を受け、新たに導入を図る企業が
増えました。そこで今回は、改めてテレワークの定義やメリット、
現状や課題についてみてみましょう。

「テレワーク=在宅勤務」は間違い!?
意外と知らない本来の定義

テレワークは、「離れて」や「遠隔での」という意味を持つ「tele」という接頭語と「work」を組み合わせた言葉で、その定義は「ICT(情報通信技術)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」です。「テレワーク=在宅勤務」と思われがちですが、本拠地となるオフィスから離れた場所でICTを使って働くことは、全てテレワークに該当します。テレワークは大きく3種類に分けられ、在宅勤務の他に「モバイル勤務」と「サテライトオフィス勤務」があります。

・在宅勤務
文字通り勤務先から離れて、自宅を就業場所にする働き方です。これまで日本で在宅勤務制度を導入している企業では、週1~2日での実施や、1日の一部を在宅勤務にする制度を取り入れているところがほとんどでした。従業員の移動時間やコスト削減になるほか、育児、在宅介護などをしている従業員の働きやすさを向上させる制度でもあります。
・モバイル勤務
移動中の交通機関や顧客先、喫茶店などを就業場所にする働き方のこと。営業職など業務で外出が多い場合、時間を有効に使って効率的に働くことができます。直行・直帰と組み合わせることで、わざわざオフィスに帰って仕事をする必要がなくなります。
・サテライトオフィス勤務
本拠地のオフィスから離れた場所に設置した部門共用オフィスで就業する、施設利用型の働き方で、「専用型」と「共用型」があります。専用型は、自社や自社グループ専用で利用するサテライトオフィスです。営業や出張時に立ち寄って利用したり、在宅勤務の代わりに自宅近くのサテライトオフィスで勤務したりすることができます。一方、共用型は、複数の企業や個人事業主が共用するオフィスのことで、「シェアオフィス」や「コワーキングスペース」とも呼ばれます。以前は主にフリーランスや起業家が利用していましたが、シェアオフィスには人脈が広がりやすいというメリットもあり、最近は企業がこれらの施設と契約して、従業員に利用させるケースも増えました。

ちなみに「telework」という単語は、海外でも意味は通じるものの、英語圏では一般的に「work from home」や「work remotely」といった表現が使われています。

BCP・節電対策にも効果が!
テレワーク導入が明るい未来への鍵?

新型コロナウイルス感染防止対策では、人同士の接触を避けるためにテレワークが推奨されました。しかし、政府がテレワークを推進してきた本来の目的は、前述の通りワーク・ライフ・バランス向上をはじめとする働き方改革です。一方、企業がテレワークに注目する理由として、以前この連載でも解説した「BCP」(Business continuity planning=事業継続計画)という観点が挙げられます。2011年の東日本大震災で公共交通機関の運休や計画停電が実施されたことを機に、そうした状況下でも円滑な業務の実施・継続を目的として、テレワークを導入した企業がありました。

また、多くの企業が、節電対策の点でもテレワークに注目しています。総務省の実証事業に基づいて試算したデータによると、テレワーク導入によるオフィス勤務人員の減少やオフィススペースの工夫による照明の削減、空調などの使用時間の削減によって、オフィス自体の電力消費量は、1人当たり約43%削減。在宅勤務による家庭の電力消費量の増加を考慮しても、オフィスと家庭を合わせて1人当たり約14%の電力消費量を削減することが可能です。

テレワークの導入は、企業活動への影響を最小限にしつつ電力消費を抑え、フロアや組織単位で大規模に実施することで、大きな節電効果を期待できます。電力消費量の削減は、二酸化炭素排出量の削減にもつながり、単に企業の事業継続だけでなく、持続可能な社会の実現にも貢献することになるはずです。

テレワーク導入前後の1人当たりの電力消費量(オフィス・家庭合算)
出典:総務省「平成23年版 情報通信白書」より作図

行政の押印文化にも見直しの動き
今後は社会的にもテレワーク導入へ

テレワークの導入は、上記のように企業にさまざまなメリットがある一方、課題も多く、現実にはなかなか普及が進んでいません。

総務省の調査では、テレワーク導入企業は、2011年が約9.7%。年々少しずつ伸びてはいるものの、2018年でも約19.1%にとどまっています。※1 また、厚生労働省が通信アプリ「LINE」を使い2020年3~4月にかけて実施した調査では、テレワークの導入は全国平均で約27%という結果が出ました。緊急事態宣言以前よりは大幅に伸びたとはいえ、まだ半数にも届いていないのが実情です。

テレワーク導入の主な課題になっているのは、遠隔勤務による社員間でのコミュニケーション不足、労働実態を把握しにくく勤怠管理が難しいこと、テレワーク社員の管理・評価が難しいこと、テレワークで使用するICT機器のセキュリティリスクなどです。また、総務省の調査では、「会社のルールが整備されていない」「テレワークの環境が社会的に整備されていない」「上司が理解しない」といった課題が上位に挙がっていました。※2

しかし、テレワークの導入には、これまで紹介した社会的な意義に加え、企業にとって最も喜ばしい業務生産性の向上や新規雇用促進・離職防止といった効果も期待できます。これは職場の多様性を担保するという観点においても企業にとってプラスとなるでしょう。

現在、テレワークの課題であるオンライン上でのコミュニケーション、安全な情報のやりとりを容易にするさまざまなツールが広がりつつあります。勤怠管理や評価についても、それぞれのPCやスマホで出退勤の打刻ができたり、従業員のPC画面を自動で撮影して作業内容や勤務状態が確認できたりするサービスが増えてきました。さらに、新型コロナウイルス感染防止と行政コストの削減を目指して行政手続きにおいても押印や書面提出の見直しが検討され、オンライン化を進める動きも出始めています。

こうしたことからも、今後は社会的にテレワークを導入しやすい環境が整備されていくことになるはずです。もちろん職種や業務内容にもよりますが、これまでの慣行に縛られず、部署や業務内容に応じて柔軟にテレワークを運用することが、これからの企業に求められていると言えるでしょう。

※1 平成23年~30年度版「通信利用動向調査」より
※2 総務省「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」より

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記事公開:2020年6月
情報は公開時点のものです