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日々を充実させる!タイムマネジメントの技術

24時間を上手に使って、仕事もプライベートも充実させるコツを紹介します。
vol.5

プライベート時間が充実する!
毎日の生活に組み込む
“アーティスト・デート”とは。

理想は3〜5時間! プライベート時間を確保する方法

前回は、仕事の時間を充実させる方法を紹介しました。しかし、仕事の時間が充実していても、プライベートの時間はなかなか確保できず、後回しにしてしまう方も多いのではないでしょうか。プライベート時間を有意義に過ごせると、仕事のやりがいもさらに高まり、1日をより前向きに過ごせるようになるはずです。今回は、プライベート時間を確保し、充実させる方法を紹介します。

仕事が忙しいと、どうしても「プライベート時間=余った時間」になりがちです。仕事と直接関係のない趣味や勉強に対して「時間ができたら取り組もう」と思っていると、仕事の都合で実現できないことも。また、せっかく空き時間ができても、ダラダラと過ごしてしまい、無駄な時間として消費してしまいがちです。

そこで私がおすすめするのは「プライベート時間をあらかじめ確保すること」。1日3~5時間を目安に、自分のための時間を持つように心がけましょう。仕事や子育てなどでなかなか自分の時間を確保しづらい方は、1日の活動時間をいくつかのまとまりで分け、整理してみるのもよいかもしれません。時間を分類することで、どの時間帯に自分の時間が作れそうかが見えてきます。

例えば、食事時間を除いて以下のような4つのまとまりで時間を管理してみるのはいかがでしょうか。

■ 1日の活動時間を4つのまとまりで区別した例

起床~8時
朝の身支度などの準備を行う時間。ジョギングやストレッチのような軽い運動や、スキルアップのための勉強など、モチベーションを上げるような作業をルーティンにしてみるのもおすすめです。

8~18時 (8~13時/14~18時)
仕事時間。集中力や思考力を必要とする業務は、脳がクリアなうちが向いていますので、8~13時は重要な意思決定やアウトプット作業を行う時間、14~18時は事務的に進められるタスクを行う時間、と分けるのもいいでしょう。各作業の時間を決めることで、より集中して仕事に取り組むことができます。

18~21時
プライベート時間。友人と会う、読書、映画鑑賞など好きなことに取り組むほか、英語学習などインプットする機会にも。

21時~就寝
就寝前のルーティンを行う時間。ストレッチや読書などで心身を整え、翌朝に備えましょう。夜遅くまで働くことが多い方や子育てをしている方は、ここをプライベート時間とするのもOK。ただ翌日に響くようなことは避けるようにしましょう。

このように「何をするか」で1日の時間を分類し、プライベート時間を少しでも1日のスケジュールに組み込んでみましょう。「仕事前」「午前」「午後」「寝る前」などざっくりした分け方で構いませんし、臨機応変に変更しても構いません。重要なのは、プライベート時間を過ごせていると感じること、その上でダラダラと過ごす無駄な時間を増やさないようにすることです。

「やりたかったこと」を思い出すための“アーティスト・デート”

プライベート時間を確保したら、次に「自分の幸福度を上げる行動」すなわち「やりたいこと」を見つけましょう。第2回でもお伝えしたように、能動的な時間を過ごすほど、幸福度は増していきます。やりたいことに熱中する時間はプライベート時間をより充実させてくれるでしょう。

「やりたいこと」を見つけるには、まず「やりたかったこと」を思い出す作業が必要です。その際に試してもらいたいのが“アーティスト・デート”。アーティスト・デートは、米国の作家ジュリア・キャメロン氏が著書『ずっとやりたかったことを、やりなさい。』で説いた方法で、「自分の内にいるアーティスト・チャイルドと過ごす時間」のこと。子どもの頃のように、好奇心のままに行動することによって創造的な心が育めるというものです。週2時間程度、まとまった時間で自分が楽しめそうなことを行います。気になっていた店や場所に足を運んでみる、映画や芝居を観に行く、レストランで美味しかった料理のレシピを調べて再現してみる、など興味のあることに挑戦してみましょう。

大切なのは自分の喜びを見つけることです。必ずしも明確な目的はなくてもいいので、自分の身の周りの些細なことから、素直に「やりたい」と感じられることを探してみましょう。

アーティスト・デートを重ねていくと、本当にやってみたかったことを思い出したり、やってみたいことをどんどん見つけられるようになったりするはずです。「やってみたい」という気持ちを見逃さず、欲望の赴くまま行動に移すことが、今後の人生の幅を広げる可能性にもなるでしょう。慌ただしく「時間に追われる日々」を、「好きなことを追いかける日々」にシフトチェンジするのが理想です。

毎日、「手仕事」の時間を 優先すべきは自分の満足感

ジュリア・キャメロン氏は、アーティスト・デートとして週に1度、2時間程度の連続した時間を自分のやりたいことにあてることを推奨していますが、2時間も通して時間を確保できないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、次の2つを意識した取り組みを、日常的にアーティスト・デートとして取り入れてみてください。

・毎日30分の「手仕事」を行う
・「一人で」取り組む

1つ目は、毎日30分の「手仕事」です。好奇心に従って、何かに集中することは満足感につながります。さらに、実際に手を動かす手仕事は没頭しやすく、自分自身で何かを成し遂げたという達成感を得やすいので特におすすめです。例えば、毎日の料理はいかがでしょう。ゲストに振る舞うわけではないので「上手に作ろう」と思わず、好きなようにしていいのです。納得できるものに仕上がると充実感は大きく、繰り返すうちに料理の時間が楽しみになっていくでしょう。ほかにも、手芸に取り組んだり、絵を描いたり、コーヒーを豆から挽いてみたり……。これらは、普段パソコンに向かって行う作業とは違った脳への刺激を得られます。実際にできあがったものを見たり、食べたり、使ったりすることも、充実感をさらに高めてくれるでしょう。

2つ目は、「一人で」取り組むこと。誰かに気を遣うことなく、ただ自分の思うままアーティスト・デートを実践してください。その間はSNSへの投稿も避けましょう。他人からのコメントやリアクションではなく、自分の満足感を優先してください。人の目を気にせず、自分のしたいことをすることで、自身の興味・関心を見つけるチャンスになりますし、新たなことに出会えるかもしれません。

自分のための時間を確保し、人からの評価にとらわれることなく、自分のやりたいことに取り組むことで、プライベート時間はさらに充実します。そして、充実したプライベート時間からインスピレーションや仕事への活力が生まれ、仕事時間もより前向きなものになることでしょう。

充実した時間を過ごすためのポイント

自分のための時間を事前に確保。
「一人で」楽しめる
毎日30分の「手仕事」を探そう

PROFILE

池田 貴将
池田 貴将いけだ・たかまさ
株式会社オープンプラットフォーム代表取締役。リーダーシップ・行動心理学の研究者。大学在学中にアメリカへ行き、コーチング・目標達成・モチベーション理論を学び、起業。科学的根拠に基づいた独自メソッドを開発。著名人を含む、年間1万人以上がセミナーに参加し、高い評価を受ける。著書に『タイムマネジメント大全 24時間すべてを自分のために使う』(大和書房)、『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』(サンクチュアリ出版)、他多数。

記事公開:2023年4月