画像や動画ファイルのバージョン管理とは|メリットや2つの管理方式、管理システムについて詳しく解説

画像や動画ファイルのバージョン管理とは|メリットや2つの管理方式、管理システムについて詳しく解説

ファイルのバージョン管理は、複数人でファイルを編集したり履歴を残したりするのに重要です。本記事ではバージョン管理の概要やメリット、バージョン管理システムの方式などを解説し、動画や画像ファイルのバージョン管理についても紹介します。

ファイルのバージョン管理とは

ファイルのバージョン管理とは、1つのファイルに変更が加えられる度に履歴を保存し、あとからどの時点のファイルでも呼び出せるようにしておくことです。

たとえば、画像ファイルを編集していくうちに「やっぱり編集途中のあの時のデザインがよかった」という場合、バージョン管理していれば特定時点のファイルを呼び出せます。また、編集する人数が多いほど、いつ、誰が、どこを変更したかの管理が複雑になってくるため、より重要になってきます。

「ファイル名_yyyymmdd」でのバージョン管理

ファイルのバージョン管理の方法として、ファイル名のルールを決めるのもひとつです。ファイル名に日付を入れることで更新日が一目でわかるようになります。他にも、更新者の名前を入れると、だれがファイルを更新したかが明確になります。

注意したいのは、初版・途中・最終のようなファイル名で管理していて、最終にさらに変更が入りどれが本当の最終かわからなくなるようなケースです。数字でナンバリングしていくなどのルールを決めておくとよいでしょう。

ファイルのバージョン管理で直面する課題

ファイル管理のルールを決めずに個人がそれぞれで自由にファイルを保存していると、さまざまな課題に直面します。ここではファイル管理における課題についていくつか解説します。

ファイル名が正しくつけられていない

ファイル名のルールを決めていない、またはルールを無視したファイル名で保存してしまうケースです。似たようなファイル名が複数存在し、どれが最新なのか見分けがつかず、いくつものファイルを開き見比べて確認しているようでは時間を無駄にしてしまいます。

膨大な数のファイルの中から特定のファイルをスムーズに検索するためには、ファイル名のルールの徹底は不可欠です。

責任者がおらず、管理が乱雑になっている

はじめのうちは決められたルールでファイル保存を徹底していても、新しいプロジェクトやタスクが入るなど今までにない要素がでてくると、管理は煩雑になってきます。ルール通りにファイルは保存されているか、ルールの見直しは不要かなど、定期的に確認を行う責任者を決めておくとよいでしょう。

工数がかかる管理方法を用いている

ファイルの保存に工数がかかっていては、本来の重要な作業に十分な時間を確保できません。クラウドサービスを利用して効率的に管理するなど、スムーズにファイルにアクセスできる環境を整えましょう。

ファイルのバージョン管理を実施するメリット

ファイルのバージョン管理は、業務の効率化や人的ミス防止などに有効です。ここでは、実施するメリットについて解説します。

問題点を把握しやすい

ファイルのバージョン管理を行うと、ファイルの変更履歴がすべて残ります。問題が発生した際には、バージョンを遡ってどの時点でどのような変更が入ったかを確認できるため、原因を発見するのも容易です。

履歴情報として、更新日や更新者以外に、更新内容や更新理由も記録できます。どれが最新のファイルで、どのような変更が加えられているのかが明確です。とくに複数人でファイルを編集するような作業では、内容を見える化すれば作業のミスも発生しにくくなります。

問題の起きたタイミングをすぐに確認できる

必要としているバージョンのファイルにアクセスできる

ファイルが更新されるたびに保存され、更新内容も把握できるため、必要なバージョンのファイルに素早くアクセスできます。また、加えた変更の取り消しもできるので、試しに変更を加えて確認した後、変更を取り消すことも可能です。

必要なバージョンにいつでもアクセス

デグレードの発生を防げる

デグレードとは、新しいバージョンのファイルが以前より品質を落としてしまうことをいいます。一例として、誤って古いバージョンのファイルを更新してしまい、最新の情報を上書きしてしまった時などに発生します。

バージョン管理を行っていれば、複数人で作業していても誤って古いバージョンのファイルにはアクセスしないので、デグレードの発生を防ぐことが可能です。

複数人作業でも古いデータを使うのを防止

ファイルのバージョン管理システムとは

ファイルのバージョン管理システムとは、ファイルやデータのバージョン管理を行うシステムのことです。ファイル名の付け方にルールを決めてバージョンを管理する方法もありますが、更新する人数や頻度が多くなると、管理が煩雑になり人的ミスも発生しやすくなります。

1度ミスが発生すると、元の状態を取り戻すのに膨大な時間を費やすことにもなり非効率です。
人的ミスをなくし効率的に作業を進めるためにも、バージョン管理システムは有効といえます。

バージョン管理システムでは変更内容がすべて記録されるので、後から特定ファイルの検索も容易です。また、ある時点の旧バージョンに戻すこともできます。

ファイルのバージョン管理システムの種類

バージョン管理システムには、「集中管理方式」「分散管理方式」と大きく分けて2種類の管理方式があります。

「集中管理方式」のバージョン管理システム

集中管理方式は、ファイルのバージョン管理を1つのサーバなどで一元管理する方式です。ユーザがそれぞれ各自のPCからサーバにアクセスしてファイルを利用します。「リポジトリ」と呼ばれる管理用フォルダの中にファイルを格納し、ファイルをアップロードするたびにファイルが自動的に書き足されていく仕組みです。

ただし、サーバで管理をしているため、サーバに接続していない状態ではファイルを保存できないことがデメリットとしてあげられます。

「分散管理方式」のバージョン管理システム

分散管理方式は、ユーザが各自のPC上にリポジトリのコピーをもつ方式です。ファイルを更新すると、各自のPC上にあるローカルリポジトリの更新が記録されます。ある程度の更新が進んだら、サーバ上のリポジトリに更新内容を反映することでメンバーにも共有されます。

サーバへの接続が必要な集中管理方式とは異なり、ネットワークに接続できなくても各自のローカルリポジトリで更新作業ができるのが特徴です。

まとめ

ファイルのバージョン管理は、複数人でファイルを編集したり履歴を残したりする際に非常に重要です。ファイルを更新する人数や頻度が多くなるほど煩雑になるので、業務の効率化や人的ミス防止のためにも、バージョン管理システムを積極的に活用するとよいでしょう。

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