「組織内にあるはずの画像がなかなか探せない」「同じような画像が複数の場所に散在している」「ストレージ容量がすぐにいっぱいになり、新しい画像が保存できない」──こんな画像管理の悩みを抱えていませんか? デジタル化が進む現代のビジネスにおいて、写真や図版、イラストなどの画像データは重要な資産ですが、その管理方法に頭を悩ませる企業は少なくありません。本記事では、クラウドを活用した効率的な画像管理の方法と、組織全体で画像を有効活用するためのポイントをご紹介します。
目次
組織での画像管理において、多くの担当者が直面している課題を見ていきましょう。これらの問題は、業務効率を著しく低下させる要因となっています。
組織から与えられた正規のストレージ容量がいっぱいになると、各社員が自分のPCや外付けHDD、個人のクラウドストレージ(オンラインストレージ)など、勝手な場所にファイルを保管し始めます。その結果、「あの画像データ、誰が持っているか分からない」「必要な画像を探すのに何人もの社員に確認が必要」といった状況が生まれてしまいます。
また、部署ごとに異なる管理方法を採用していることも多く、営業部はファイルサーバー、マーケティング部は共有フォルダ、デザイン部は各自のPCといった具合に、画像データが組織全体に散在してしまうケースも珍しくありません。
「20241008_画像.jpg」「最新版_商品A.png」「最終稿_final_v2.jpg」──このようなファイル名では、画像の中身が全く分かりません。ファイル名だけでは内容を判断できないため、画像所有者に「この条件に合う画像を探してください」と依頼する必要が生じ、依頼者・所有者ともに大きな手間がかかってしまいます。
さらに、「2024年度」「商品別」「イベント用」など、フォルダ構成も担当者によってまちまちな場合もあります。統一されていない分類方法だと、目的の画像にたどり着くまでに膨大な時間を要することになります。
高解像度の画像や大量の画像データを共有する際、メールの添付ファイル容量制限に引っかかることがよくあります。外部のファイル転送サービスを使用するにしても、アップロード・ダウンロードに時間がかかり、セキュリティ面での不安も残ります。
特に、社外のパートナー企業や制作会社との間で、画像データの頻繁なやり取りが発生する場合、相手の環境やセキュリティポリシーに合わせて、その都度共有方法を考える必要があり、これが業務の負担となります。
画像管理の方法は大きく分けて、オンプレミスとクラウドの2つがあります。それぞれの特徴を理解した上で、最適な方法を選択することが重要です。主なメリット・デメリットを紹介します。
メリット
自社で完全にデータを管理できる
オフライン環境でも利用可能
初期投資後のランニングコストが比較的低い
機密性の高いデータの管理に適している
デメリット
設備の導入・保守管理が必要
物理的な破損・紛失のリスクがある
リモートワークでのアクセスが困難
容量拡張時に追加投資が必要
メリット
設備の導入・保守管理が不要
場所を問わずアクセス可能
自動バックアップによるデータ保護
容量の柔軟な拡張が可能
デメリット
データを他社管理下に置くことになる
共有・公開設定ミスによる
情報漏えいリスクがある
継続的な利用料金が発生
インターネット接続が必須
上記のメリット・デメリットを踏まえると、組織内で画像データが加速度的に増えている現在では、基本的には、アクセス性や拡張性、作業とコストの効率性の観点からクラウドでの管理がおすすめです。
ただし、無料のサービスの場合、自動バックアップや容量の拡張性などの対応や、セキュリティ面の担保が十分になされないこともあるので、注意が必要です。企業や自治体など、組織で使用する画像データには、法人向けの有料サービスを使用することが望ましいでしょう。また、国内のデータセンターで運営されるサービスを選ぶとセキュリティや法規制の観点からより安心です。
発表前の製品画像や機密性の高い画像など、データの重要性や機密度によっては、オンプレミスでの管理も検討すべきです。重要なのは、画像データの性質に応じて使い分けることです。
クラウドサービスを導入しても、適切なサービスを選び、適切なルールで運用されなければ、結局は「画像が見つからない」問題は解決しません。ここでは、クラウドサービスによる効率的な画像管理のための具体的なポイントをご紹介します。
まず、自社の画像管理の目的を明確にしましょう。単純なバックアップ目的なら一般的なクラウドストレージで十分ですが、複数部署で画像を共有・利活用したい場合や、画像使用にあたりブランド管理が必要な場合のほか、近年重要性が高まっている、画像使用による権利侵害リスクの低減などを考えるなら、「デジタルアセット管理(DAM)サービス」が最適です。
DAMはクラウドストレージと同様に、ドラッグ&ドロップでデータのコピーや移動、ダウンロードができるなど手軽な操作性でありながら、画像データをデータベースで管理し、画像一つひとつに詳細なメタデータ(属性情報)を付与できるサービスです。「商品番号●●の画像」「秋のキャンペーン用画像」「女性モデル画像」といった多様な切り口で検索でき、欲しい画像が素早く見つかるのはもちろん、権利関係情報やブランドガイドライン情報などでも検索できるので、権利外での画像使用のリスクやブランディングに反した画像を使用するリスクを低減できるのが特徴です。また、このような注意が必要な画像の使用時に申請・承認ワークフローを必須とする機能や、フォルダやデータへのアクセス権限を細かく設定できる機能なども備えています。
このように、画像を管理するクラウドサービスを選ぶ際には、業務フローや業務の性質、想定されるリスクを踏まえて選定することが重要です。
クラウドストレージ、DAMいずれの場合にも、「部署>プロジェクト>用途>年度」のような階層構造を明確に定義し、誰が見ても同じように分類できるルールを作成することが大切です。新入社員でも迷わずファイルを検索・格納できるような、シンプルで論理的な構成を心がけましょう。
「YYYYMMDD_商品コード_用途_バージョン」(例:20241008_ABC123_web_v01.jpg)のような統一された命名規則を設定します。これにより、ファイル名だけでも内容が推測でき、検索効率が大幅に向上します。
効率的な画像管理には、タグやキーワードによる分類が欠かせません。一般的なクラウドストレージサービスでは、この機能がなくファイル名でしか検索できないことや、タグやキーワードの数が限られる場合がありますが、DAMでは、画像データにタグやキーワードをより自由に付与することができます。例えば、商品カテゴリやキャンペーン名、被写体の種類などのタグを付与し、画像データの検索性を高めることが可能です。
画像の検索性を高めるには、散在していた画像データを一カ所に集約し、データベース化することが重要です。クラウドストレージサービスではデータベース機能がないことが一般的で、画像データとは別にデータベースを作って管理する必要がありますが、DAMにはもともとデータベース機能があり、画像データ一つひとつに属性情報を付与し、組織独自の分類体系を構築できます。先述したもののほかにも、撮影日、使用権限、カテゴリ、色、被写体の詳細情報、動画ならストーリー内容など、多様な属性情報での検索が可能になり、「去年の展示会で使った、青系の商品画像」といった複雑な条件でも、瞬時に目的の画像を見つけられるようになります。
さらに、富士フイルムの「IMAGE WORKS(イメージワークス)」のように高機能なDAMサービスでは、AIを活用した便利な機能を持つものもあります。「IMAGE WORKS」では、AIが画像の見た目からどんな内容の画像なのかを判断し、自動でタグ付けします。また、手元の画像や既存の画像を基に、それと類似するものをデータベースから自動的に検索する「AI類似画像検索」も可能です。「人物が写っている画像」「同じ製品の別カット」なども瞬時に見つけられるため、タグ付け作業と並行してAI機能を活用することで、より効率的な画像整理や検索が実現できます。
クラウドサービスの導入は便利ですが、セキュリティ面での配慮も欠かせません。
ユーザー・データの有効期限設定やパスワード保護を必ず行い、不要になった共有リンクURLは速やかに無効化する必要があります。また、共有範囲を最小限にとどめ、必要な人だけがアクセスできるよう権限管理を徹底しましょう。DAMでは運用管理者がアクセス権限をフォルダやファイル単位で細かく設定できることが多いですが、クラウドストレージは詳細な権限管理はできない、あるいは現場が手動で設定する必要があることが多く、設定ミスで社外秘の画像が入ったフォルダが外部公開されるなどのトラブルに注意が必要です。クラウドストレージを使う際、画像データを取り扱うメンバーのITリテラシーに不安がある場合には、公開・共有リンクの使用方法などについて、しっかりとしたルール教育や周知を行うことも重要です。
クラウドサービス自体にバックアップ機能があっても、特に重要な画像データについては、別のストレージや物理メディアにもバックアップを取ることを検討します。「3-2-1ルール」(3つのコピー、2種類の異なるメディア、一つは別の場所)を意識した運用が理想的です。
不正アクセスを防ぐため、二段階認証の設定は必須です。また、定期的なパスワード変更、IPアドレス制限、アクセスログの監視など、多層的なセキュリティ対策を実施しましょう。
画像管理の課題を解決するクラウドサービスなら、富士フイルムの「IMAGE WORKS」がおすすめです。2,500社以上の導入実績※を持つ「IMAGE WORKS」は、単なるクラウドストレージではなく、画像をデータベース化して効率的に管理できるDAMサービスです。
画像の属性情報は100種類以上も自由に付与することができ、貴社の組織や業務フローに合った分類体系を構築可能。さまざまな部門や社外のユーザーが、それぞれのイメージに合った画像を素早く見つけることができます。AIによる類似画像検索で、文字を入力することなく欲しい画像を見つけることも可能です。
また、権利関係が複雑な画像やブランディング上の注意が必要な画像も、属性情報の確認や「ダウンロード申請・承認機能」により、誤った方法で使用するリスクを防ぎます。
「共有リンクURL無効化機能」「有効期限設定によるユーザーやデータの自動削除機能」を完備。フォルダ・データ単位で詳細にアクセス権限を設定できるほか、全ての操作ログが記録されるため、「誰が」「いつ」「どの画像を」使用したかを追跡でき、コンプライアンス面でも安心です。
「IMAGE WORKS」を利用することで、画像が見つからないストレスから解放され、必要なときに必要なコンテンツをタイムリーに発信、ビジネスのスピーディーな推進につながります。貴社の画像資産を正しく安全に有効活用し、投資対効果の最大化を実現しませんか。
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