ID管理システムの選び方をポイントを押さえて解説

ID管理システムの選び方を
ポイントを押さえて解説

業界や業種を問わず、業務を遂行する上でITシステムを活用することは避けられません。近年では、クラウドサービスの業務利用も増えたこともあり、ID管理に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。効率的なID管理を実現するために用いられるものが「ID管理システム」であり、システムの導入を検討している場合も多いでしょう。

ID管理システムの選び方をポイントを押さえて解説

そこでこの記事では、ID管理システムの基本から、選び方や種類、導入・運用方法などについて解説します。

ID管理システムの基本とその重要性

はじめに、ID管理システムの基本とその重要性について解説します。ID管理システムを導入する際には、ID管理システムがどのようなもので、なぜ導入する必要があるのか、といった点を知っておくことが重要です。

ID管理システムとは

ID管理システムとは、業務で利用するシステムやWebサービスなどのログイン認証の際に用いる「ユーザー情報」を一元的に管理するシステムです。ユーザー情報にはIDやパスワード、メールアドレスなどが含まれます。

ユーザー情報を一元的に管理することで、ID管理に関する業務の簡略化や、ユーザーの利便性向上などが期待でき、いまやID管理システムはなくてはならない存在となっています。

ID管理における重要性やメリットなどについては、こちらの記事で詳しく解説しているため、併せてご覧ください。

ID管理とは?重要性やメリット・注意点などを解説

なぜID管理システムが重要なのか?

ID管理システムが重要となる理由は、複雑化・煩雑化するID管理を簡略化して効率性を向上させるためです。一人の従業員が業務で複数のシステム・Webサービスを同時に利用することも、今では当たり前のことになっています。それぞれのシステム・サービスに存在するID情報を個別に管理していては、利便性の観点からもセキュリティの観点からも好ましくありません。

ID管理システムを導入することで、個別に管理していたID情報を一元的に管理できるようになります。一元管理が実現すれば、シングルサインオン(SSO)やプロビジョニング(アカウント管理の自動化)なども実現でき、利用者・管理者ともに効率的なID管理が行なえます。

また、個人で複数のパスワードを管理している場合、使い回しなどのセキュリティ上の問題が発生しやすくなります。しかし、シングルサインオンを用いれば使い回しを回避してセキュリティを向上させることも可能です。

ID管理システムの選び方

ID管理システムを選ぶ際には、「業界・企業規模」「利用したい機能」について確認することが重要です。ここでは、それぞれの基準について解説するため、一つずつ見ていきましょう。

業界や企業規模に合わせて選ぶ

業界ごとにニーズは異なり、厳しいガイドラインが設けられている場合もあります。例として、金融機関であればコンピュータシステムの安全管理基準(FISC)が定められており、ID管理システムの選定においても、その基準を満たしているか確認する必要があります。各種業界に特化したID管理システムも多く存在しているため、ニーズや法令などを確認しながら選ぶとよいでしょう。

また、管理するID数によってコストが変わるID管理システムも多く存在します。そのため、企業規模(ID数)に合った料金プランが用意されているか、という点も確認することが重要です。

利用したい機能の有無を確認する

ID管理システムを用いて何を実現したいのか、という点は必ずはじめに定めておく必要があります。「ID管理システムで一元管理を実現したいだけなのか」「シングルサインオンやプロビジョニング、社内システムとの連携などを実現したいのか」によっても選ぶべきID管理システムは異なるからです。

シングルサインオンを実現したい場合には、その機能を持つID管理システムを選択する、というように、実現したい目的とID管理システムが持つ機能がマッチしているか確認しましょう。

ID管理システムの種類と特徴

ID管理システムにはさまざまな種類が存在します。それぞれの特徴も併せて紹介するため、選択する際の参考としてください。

単機能ツールと統合ソリューション

ID管理システムは大きく「単機能ツール」と「統合ソリューション」に分けられます。単機能ツールは、IDの一元管理を実現するだけのID管理システムと考えるとよいでしょう。

一方、統合ソリューションは、IDの一元管理を実現することでさまざまな機能を提供するものです。例えば、シングルサインオンも統合ソリューションタイプのID管理システムに付随する機能の一つです。統合ソリューションの場合は、次のような機能も用意されています。

  • IDのライフサイクル管理
  • 特権IDの管理
  • 多要素認証、アクセスコントロール
  • ワークフローシステム
  • 監査レポートなど

SaaS(クラウド)とオンプレミスの違い

前述の2つのタイプに加えて「SaaS(クラウド)」と「オンプレミス」の2種類が存在します。SaaSはクラウドサービスとして利用可能なID管理システムであり、オンプレミスは自社のネットワーク環境に構築するタイプのID管理システムです。

SaaSはサービスに登録すれば即座に利用開始できるものが多く、他システムとの連携も行いやすい点がメリットです。オンプレミスは自社環境に構築するため、カスタマイズしやすいのが 特長です。ただし、オンプレミスの場合はサーバーの準備から構築・運用と時間と手間がかかり、費用もかさみます。

SaaSのなかには無料で利用開始できる試用期間が設けられているものもあります。本格導入の際にもオンプレミスと比較して初期費用が抑えられる点も、SaaSならではのメリットといえるでしょう。

ID管理システムの導入方法と運用について

最後に、ID管理システムの導入方法と運用について簡単にまとめます。ID管理システムを利用する流れをつかむために見ていきましょう。

ID管理システム導入の流れ

ID管理システムを導入する際には、導入の目的を明確にすることが重要です。「ID管理システムの種類と特徴」でもお話ししたとおり、単機能ツールでよいのか、統合ソリューションを導入するのかを決めましょう。その後、社内の環境に合わせてSaaSかオンプレミスかを選択します。

統合ソリューションを導入する場合は、他システムとの連携も考慮して事前に連携が可能かチェックすることも重要です。

上手に運用する方法

ID管理システムではアカウント管理の自動化も実現できます。煩雑になりやすいID管理を自動化することができれば、業務の効率化や生産性の向上が期待できるでしょう。IDのライフサイクルに関する運用フローを事前に定めておき、少しずつでも自動化を進めると上手に運用できます。

まとめ - ID管理システム選定を成功させましょう

業務のIT化が進み、クラウドサービスの業務利用も増える昨今では、ID管理の重要性が増しています。煩雑になりやすいID管理を効率的にするためにも、ID管理システムの導入は欠かせないものになっているといえるでしょう。

この記事で解説したID管理システムの基本から選び方などを参考にし、ID管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

富士フイルムイメージングシステムズではSaaS型 ID統合管理サービス『Smart One ID』を提供しています。ID管理システムの導入、リプレイスをご検討中の方はぜひ一度ご相談ください。

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