ファイル共有サービスとファイル転送サービス
どっちを選ぶべき?
近年、パスワード付きZipファイルでのやりとり(PPAP運用)を問題視する動きが注目されています。
ファイルをZip化する手間や、メールを傍受される危険性などから、「脱PPAP」の機運が高まっているようです。
PPAP運用の代替手段としてよく挙げられるのが、「ファイル共有サービス」や「ファイル転送サービス」です。
これらのサービスにはどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれのサービスを選ぶ際にポイントとなる内容をまとめました。
ファイル共有
サービス
ファイル転送
サービス
サービスの概要
クラウド上にアップロードしたファイルを、URLで共有する仕組み。
都度宛先を選択し、ファイルを送るメールライクな仕組み。
特徴
グループ単位など、複数の相手との共有に利用できる。また、ファイルをストレージ上に保管しておくことができる為、過去のデータを参照したい場合に便利。
送受信に特化したシンプルな仕様のため、メールのように送りたい時にすぐに送ることができる。また、ファイルは一定期間で削除されるため、いつまでもクラウド上に残しておくのが不安なデータなどを扱う場合に便利。
容量の考え方
決められた容量の中で扱うファイルを管理する。不要なファイルは定期的に削除をする運用も検討が必要。近年では容量無制限のサービスも多い。
ストレージ容量ではなく、1回の送信単位やユーザー数で課金を管理されているサービスが多いため、サーバー容量を気にせず利用できるサービスが多い。
IDの考え方
1社員につき1IDという考え方が多い。ID課金がされるケースも多く、プロジェクトやグループ単位など、利用する組織単位でIDを配るイメージ。社外の方にはダウンロードURLを発行してIDを払い出さずに利用できるサービスも多い
1社員につき1IDという考え方が多い。大容量ファイルや機密ファイルを送信する際の社内ルールとして利用されることが多いため、社員全員にIDを配るイメージ。社外の方には、ゲストユーザとしてID登録をしなくても送信できるサービスも多い
利用する際の注意点
複数名でアクセス可能な環境である為、ファイルを誤って共有してしまうなどの漏洩リスクがあり、ユーザーのリテラシーが求められる。
また、手軽さゆえに、ファイルが大量に蓄積してしまい、ファイルを見つけ出すことが困難になることも考えられる。
特定の宛先とのやりとりを想定しているため、複数名で資料をリアルタイム共有したい場合など不便。
また、ファイルが保管されないため、過去のファイルを参照することが難しい。セキュリティの観点上、アーカイブなどを行えるサービスもある。
求められること
利用する組織単位で厳密なセキュリティ設定やデータ保全に対するルール作りを行うことが重要。
組織単位というより、会社として監査・ログ管理を行うことで統制を維持する必要がある。必要に応じて承認機能などを活用することが重要。
選ぶ際のポイント
プロジェクトやグループなどのメンバーで資料を共有したい、またはファイルをアーカイブとして残していきたい場合に向いているかもしれません。
主に社外に対しても安全にファイルを受け渡ししたい場合に向いているかもしれません。
以上、いかがでしたでしょうか
全社的にサービスを展開し、社内外問わずファイルの受け渡しをしたい場合には、
リテラシーを求めずシンプルに利用できる送受信サービスがおすすめです。
運用上、共有が必要なユーザーについては、運用ルールをしっかり決めた上で、
共有タイプの製品を部分的に提供していく選択肢もアリかもしれません。