スムーズで安全!ファイル転送を活用するメリットとは?
サービスの使い方や選び方のポイントを解説
「社外にファイルを送信したいけど、メールに添付をするには容量が大きすぎるし、重要なファイルをどうやって送れば安全か分からない……」仕事中、そんな場面はありませんか。外部とのファイルのやり取りでは、メールに添付したりUSBメモリに保存して郵送したりする方法がありますが、ファイル容量の問題や、紛失リスクなどのセキュリティ面の懸念の問題により、それらが使えない場合もあります。
そんなとき、有効な選択肢となるのが「ファイル転送サービス」です。ネットワークを介したスムーズかつ安全なファイルのやり取りで、それらの課題を解決できるかもしれません。この記事では、ファイル転送の基本について解説するほか、企業が活用するメリットや選び方、活用時のポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
「ファイル転送」とは?知っておきたい基礎知識
最初に、ファイル転送の概要とその仕組みなど、基本的な知識を分かりやすくご紹介します。
ファイル転送とは、ネットワークを経由したファイルの送信方法
ファイル転送とは、ある端末から他の端末へ、ネットワークを経由してファイルの送信をすることです。送信側がWeb上にファイルをアップロードし、受信側がダウンロードするという方法が一般的です。メール添付が難しい、容量の大きな画像や動画であってもスムーズなファイル送信が可能です。また、選択するサービスによってはセキュリティ対策としての機能もあるため、重要な情報を含んだファイルの送信にも適しています。
大容量ファイルでも安心!ファイル転送の基本的な仕組み
ファイル転送をする際は、まず送信者がオンラインストレージにファイルをアップロードします。ファイル転送サービスでは、ファイルを小さく分割した「パケット」と呼ばれるデータにして送信する際、大容量でも高速に転送できるように設定された転送方式を使っているため、メールでは送れない大容量ファイルでも簡単にアップロードできるのです。
アップロード後はそのデータにアクセスするための専用URLが発行されるので、受信者にそのURLを送信します。受信者はそのURLからアップロード先のオンラインストレージにアクセスすることで、ファイルをダウンロードできます。
ファイル転送はどんなときに役立つ?
ファイル転送は、さまざまな場面で使われます。ここでは、代表的なシーンについて解説します。
大容量ファイルをやり取りするとき
大容量ファイルのやり取りは、ビジネスにおいては対社内・対社外ともに日常的に行われています。メール添付でもファイルの送受信を行うことはできますが、その場合ファイルの圧縮や解凍などの手間がかかってしまいます。送信容量の制限があって送れない場合もあります。ファイル転送はこれに代わる、スムーズなファイル共有方法として役立ちます。
重要なファイルの送付時、郵送に代わる書類の送付手段として
最近では見積書・発注書・受領書・請求書や契約書などの電子化が進んでいます。従来の郵送でのやり取りに代わって、低コスト・短時間で対応可能な電子ファイルでの送受信が主流になりつつあります。それらの重要な情報を含むファイルのやり取りをする際には、メール誤送信のリスクを抑え、より安全な送受信が可能なファイル転送が役立ちます。
ファイル転送を活用するメリットとは?
ファイル転送を活用すると、ファイル容量を気にせずに送信できる、リスク低減につながるといったメリットがあります。それらのメリットについて詳しく解説します。
ファイルの容量を気にせずに利用できる
大容量のファイルであっても気にする必要がなく、スムーズに送信できる点はファイル転送の大きなメリットです。大容量ファイルをメールで送信する場合、環境によってはファイルを複数回のメールに分けたり、容量が小さくなるよう圧縮してから送信したりする必要があります。また受信者側でもファイル容量の制限があって受信できないことや、受信できたとしても圧縮ファイルの解凍が必要になるなどの手間がかかります。ファイル転送ならこのような非効率な作業を削減できます。
重要なファイルの誤送信リスク低減が可能
重要な情報を含むファイルのやり取りでは誤送信リスクにも注意しなければなりません。メールの誤送信の発生原因は従業員の操作ミスなどのヒューマンエラーがほとんどであるため、第一には誤送信を起こさないように社員教育を徹底することが重要です。それに加えて、ファイル転送サービスを用いれば、そのリスクをさらに減らすことができます。
ファイル転送サービスには、URL共有のメールなどを誤送信してしまった場合の対策として、URLを無効化する機能を持つものや、送信前に送信先や添付ファイルをチェックすることができるもの、ファイル自体や通信を暗号化するものもあります。ファイル送受信の操作履歴を残すことができるサービスもあり、これを利用すれば誰がいつ誰に送信したのか、誰がいつ受信したのかを確認することも可能です。このような機能を備えるファイル転送サービスを導入することも、重要な情報の取り扱い時には役立つでしょう。
低コストで活用できるファイル転送サービスもある
ファイルを送信する方法として、DVDやUSBメモリなどの記録媒体を直接郵送することもありますが、その場合は記録媒体の購入代金や送料などがかかるだけではなく、記録媒体の管理や紛失リスクに備えなければなりません。その点、ファイル転送サービスを用いれば、それらのコストの削減が可能です。中には、これらの方法より低コストで利用できるものや無料で利用できる転送サービスもあります。
無料のファイル転送サービスを使うデメリット
ファイル転送サービスには無料で利用できるものもあります。それでは、無料のサービスをビジネスで使っても問題ないのでしょうか。
無料の転送サービスでも、最低限のファイル転送の役割は果たせます。ただし、実際に使用できる機能の有無はサービスによって異なりますし、基本的な機能しかないケースが多いため、使いづらさを感じることも考えられます。
また、ファイル転送サービスを通して重要な情報を含むファイルを取り扱う場合、特に事前の検討が必要なのはサービスのセキュリティ面です。ここで、無料サービスを使う場合のデメリットを確認しておきましょう。
セキュリティのレベルが不十分な可能性がある
無料のファイル転送サービスの中にも、パスワード設定、ウイルススキャン、アクセス制限といったセキュリティ対策機能を搭載しているものもあります。しかし、有料サービスと比較すると、無料サービスはセキュリティレベルが低いケースがほとんどです。ファイルや通信の暗号化、ウイルスチェック、サーバーの冗長化や遠隔地でのデータバックアップなど、自社が必要とするセキュリティレベルを備えているか、チェックしておく必要があるでしょう。
また、送受信の操作ログが残せないサービスの場合は、誰が誰とどのようなやり取りをしているか管理できない点においてセキュリティリスクがあるといえるでしょう。
利用回数やデータ容量などに制限がある場合もある
無料サービスでは、利用回数やデータ容量、ファイルの保存日数などに制限がある点に注意しましょう。大容量データを日常的に扱う場合は、利用頻度やデータ容量を考慮し、機能的に不足していないかを確認した上でサービスを利用しましょう。
広告表示などにより使いづらく、イメージダウンにも
無料のファイル転送サービスには、広告表示によってサービス提供者が収益を得ているものが多くあり、画面上の操作ボタンより広告が目立っていることもあります。広告の中には、送信者・受信者の競合企業の広告や、好ましくない広告が表示される可能性もあるため、企業のイメージダウンにつながる恐れもあります。
相手企業が無料のファイル転送サービスの利用を禁止している場合も
最近はセキュリティポリシーとして、無料ファイル転送サービスなどへのアクセスを制限している会社も多くなりました。そのため場合によっては、こちらがファイルを共有したつもりでも、相手が受け取れていない場合があるので注意が必要です。
ファイル転送サービスの選び方
一口にファイル転送サービスといってもさまざまなサービスやプランがあるため、迷ってしまう人も多いでしょう。ここでは、自社に適した選び方の5つのポイントを解説します。
1.転送可能な最大容量・利用人数や頻度をチェックする
転送可能なファイルの最大容量や、送信可能回数はサービスによって異なるため、事前にチェックしておくことが大切です。自社の利用では転送する最大のファイル容量はどのくらいか、利用者は何人か、1カ月あたり何件の送受信があるかなど、利用実績をあらかじめ調査しておけば、業務が滞ることなく十分に活用できるサービスを選ぶ目安となるでしょう。
2.操作は簡単か
操作が簡単で、誰でも活用できるかという点も重要なポイントです。複雑なプロセスや、操作画面の分かりづらいサービスは、利用者のストレスになるだけでなく、利用の定着につながりません。初めて使う人でも操作できるようにシンプルに設計されている、簡単に送受信ができるサービスを選びましょう。
3.継続運用できる価格か
有料のファイル転送サービスを使う場合は、納得できる価格であるかどうかの確認が必要です。ID課金制や使用ファイル数に応じたプラン、サーバー容量による料金設定など、さまざまな料金タイプのサービスがあります。全社的に統一サービスとして利用したい場合は、使用者数に応じて費用が発生する「ID課金」ではないタイプにすれば、使用人数が増えても追加費用の心配がありません。自社の目的に合わせたプランを選びましょう。
4.セキュリティレベルが十分か
ファイル転送サービスを選定する際には、情報漏えいのリスクを防ぐために、セキュリティレベルの高さも重要です。機密性の高い情報でも安全に送れるように、セキュリティに関する情報を明示しているサービスを選びましょう。二段階認証、IPアドレスによるアクセス制限、不正アクセス検知、監査機能、サーバー内データの自動削除などの機能が備えられているかなど、自社のセキュリティポリシーに適合していることが重要になってきます。
5.便利な機能があるか
ファイル転送以外にも、便利な機能があるかどうかで選ぶのもおすすめです。例えば、ファイルのダウンロードを催促するリマインドメールの自動送信機能や、アドレス帳機能、定型文をテンプレートとして登録できる機能、動画のストリーミング送信ができる、といった機能があれば、より便利に活用できます。このような付加的な機能はファイル転送サービスによって異なるため、複数のサービスを比較するとよいでしょう。
ファイル転送サービスをうまく運用するポイントは?
ファイル転送サービスを活用するには、導入の目的を明確にし、社内に周知することが重要です。さらに操作方法を教育し、使いこなせるようにすることがポイントです。
ファイル転送サービスを使う目的を明確にする
ファイル転送サービスを有効活用するには、使う目的を明確にすることが大切です。例えば誤送信の事例提示からそのリスクを周知し、実際にどのようなシーンでファイル転送サービスを活用するのかを確認し、導入によって自社の業務にどう役立つか検証します。導入準備から従業員教育の実施、利用開始後のサポートについてなど、あらかじめしっかりとしたスケジュールを立てておくことでスムーズな運用ができるでしょう。
ファイル転送サービスの使い方を社内に周知させる
ファイル転送サービスは、全従業員が活用できて初めてその役割を果たせるといえます。自社が導入するファイル転送サービスの使い方を従業員に周知し、有効活用する方法を定着させることが大切です。どれだけ安全なファイル転送サービスでも、「使いづらいから」「面倒だから」という理由で従業員が利用を避けるようになっては、セキュリティ対策として意味がなくなってしまうからです。
併せて「シャドーIT」(会社未承認のITツールを従業員が勝手に使用すること)は、自社だけではなく取引先、お客さまのセキュリティリスクを高めることになるという理解を行き渡らせましょう。
安全性と使いやすさを両立したファイル転送なら「SECURE DELIVER」
ファイル転送サービスを活用するなら、富士フイルムが提供する「SECURE DELIVER」(セキュアデリバー)がおすすめです。
「SECURE DELIVER」には「お届け便」「受け取り便」「往復便」の3つの送受信タイプがあり、分かりやすい操作画面で初めて使う人でも直感的に簡単に操作ができるため、ユーザー定着率の高さが特長です。最大100GB のファイル送受信まで対応し、画像や動画、図面などの大容量データもスムーズに送れます。
「SECURE DELIVER」は、送受信・保存ファイルの暗号化やウイルスチェック、保存ファイルの自動削除などの機能を搭載しているだけではなく、アクセスや送受信状況の可視化、URL 無効化などの誤送信対策、上長などによるファイル送信承認機能を備えているので、ガバナンスも強化できます。このようなセキュリティの高さが評価され、金融機関や自治体でも広く採用されています。 その他、通信遮断時のレジューム機能やファイルのエラーチェック、ファイルのダウンロードを催促するリマインドメールの自動送信、定型文をテンプレートとして登録できる機能など、ファイル転送を効率化する機能も充実しています。
利用料金については、ID(アカウント)に対する課金はないため、ユーザー数が増えてもコストに影響はありません。「送受信する通数」と「データ容量」に応じてプランを選ぶ方式を取っているため、ユーザー数が多い企業においても全社員にIDを配布することができ、シャドーITを防止できます。
富士フイルムの「SECURE DELIVER」は皆さまに円滑なビジネスと安心をお届けします。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。