データ受け渡し時のリスクと安全・便利に
データを受け取る方法
ビジネスにおいて、社内外の相手と日常的に行っているデータのやり取り。
しかし、データの受け渡し方法によっては、情報漏えいなどのセキュリティリスクが高まる可能性があります。
近年では、サプライチェーン(ビジネス上のつながり)を狙ったサイバー攻撃や不注意による情報漏えいも多発しており、
より慎重なデータ管理が求められています。
本記事では、データ受け渡し時のリスクと、安全かつ便利にデータを受け取る方法について解説します。
目次
データ受け渡し時のリスク
データの受け渡しにはさまざまなリスクが潜んでいます。主なリスクとして、情報漏えい、ウイルス感染、データの紛失・破損、誤送信、コンプライアンス違反などが挙げられます。
不適切な方法でデータを送受信すると、第三者に情報が漏えいしたり、マルウエアに感染したりする可能性があります。USBメモリなどの物理的な媒体を使用する場合は、紛失や破損のリスクもあります。
メールで送受信する場合には、メールアドレスの入力ミスなどで、意図しない相手にデータを送ってしまう可能性があります。データの内容や送受信先によっては、個人情報保護法や「EU一般データ保護規則 (GDPR)」などの法規制に違反するリスクもあります。
これらのリスクを最小限に抑えるためには、適切なデータ受け渡し方法を選択し、セキュリティ対策を徹底することが重要です。
データ受け渡しの主な方法
データの受け渡し方法には、メール送付、USBメモリやCD-Rなどの記憶媒体、ファイル転送サービス、オンラインストレージ、FAXなどがあります。それぞれに特徴やリスクがあるので、セキュリティ、利便性、コストなどを考慮し、用途や状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。
メール送付
メールでのファイル添付は広く使われているデータ受け渡し方法ですが、いくつかの重要な課題があります。最も大きな問題は、セキュリティリスクです。
暗号化されていないメールは盗聴されるとただちに機密情報の漏えいにつながる恐れがあります。一般的なメール環境では、メール本文や添付ファイル、通信の暗号化がされていない場合が多いため、注意が必要です。
なお、メールでファイルを送付する際の暗号化対策の中で、従来よく使われてきたのが「パスワード付きZipファイルでの送付(PPAP)」です。セキュリティ対策として有効と考えられており、商習慣として当たり前のように使われてきました。しかし近年、この方法はかえって「Emotet」などのマルウエアへの感染の危険性を高めるリスクが周知されてきました。そのため日本政府が廃止する方針を打ち出し、これに倣って多くの企業もPPAPによるデータ受け渡しをやめる傾向にあります。パスワード付きZipファイルの受信をサーバーで拒否するなどの対策も広がっています。
また、メールの送受信には容量制限があるため、大容量のファイルを送れません。アドレスの入力ミスや、添付するファイルの取り違えによる誤送信のリスクもあります。
これらの理由から、最近では重要なデータや大容量ファイルの送受信手段としてのメール添付は敬遠されるようになってきています。
USBメモリやCDなどの記憶媒体
USBメモリやSDカード、CDなどの物理的な記憶媒体を使用したデータ受け渡しは一見便利ですが、多くのリスクと課題を伴います。最大のリスクは、紛失や盗難です。持ち運びが容易であると同時に紛失しやすく、重要な情報が第三者の手に渡る可能性があります。
パスワードによるロック機能や指紋認証などを搭載したセキュリティ強化型のUSBメモリもありますが、安全性が保証されるものではありません。物理的な記憶媒体の使用は、適切な管理体制と厳格なセキュリティポリシーの下で行う必要があります。
また、特にUSBメモリでは、USBメモリ経由の感染を専用に狙ったマルウエアがあり、大きな問題となってきました。マルウエアに感染したパソコンにUSBメモリを差し込むだけで、感染プログラムがUSBメモリにコピーされ、それがまた他のパソコンへ感染を広げてしまうのです。これを抑止するには、USBメモリの定期的なウイルスチェック、USBメモリへのアンチウイルスソフト導入など、対策を施したUSBメモリのみを使うなどの厳重な対応が必要です。
ほかにも、USBメモリによるファイル受け渡しには、物理的な配送が必要なため、時間とコストがかかるという課題もあります。
ファイル転送サービス
データ受け渡しを専用とするファイル転送サービスの活用は、データ受け渡しの安全性と効率性を向上できる方法です。特に大容量のデータや機密性の高い情報のやり取りに適しています。
主な利点として、大容量ファイルの送受信が可能であることや、受信・ダウンロード状況の確認機能があることなどが挙げられます。
ファイル転送サービスには無料で使えるものと有料のものがありますが、無料サービスでは、暗号化レベルが低い、ユーザー認証レベルが弱い、データの保存場所が不明確であるなど、セキュリティ面で不安が残ります。
一方、有料サービスでは、ウイルスチェック、通信および保存データの暗号化、保存データの冗長化、誤送信防止、多要素認証やアクセス権限の詳細な設定など、複数のセキュリティ機能を備えており、より安全なデータのやり取りが可能です。
セキュリティと信頼性を確保する必要があるビジネスシーンでは、無料サービスではなく、法人向けの有料サービスを優先して使うべきでしょう。無料のファイル転送サービスの利用を禁止している企業もあります。
オンラインストレージ
インターネット上でファイルを共有できるクラウドストレージを用いれば、ファイル共有だけでなく、共同編集もスムーズかつ安全に行えて、働く場所を問わず業務データにアクセスできます。
ただし、データの受け渡しに使う際には注意点もあります。まず、クラウドストレージを使い慣れていない場合、共有権限の操作を誤って関係のない人にまでファイルを共有してしまわないように注意する必要があります。
また、受け取った相手がファイルをダウンロードしたかどうかは送信側からはわかりません。さらにセキュリティポリシーとして、自社が安全性を確認したクラウドストレージ以外へのアクセスを制限している会社もあります。この場合、アクセス自体ができないため、当然ダウンロードもしてもらえません。
FAX
FAXは古くから使われているデータ受け渡しの方法ですが、現代のビジネスニーズに適さないケースが多くなっています。主な問題点として、セキュリティリスク、画質劣化、環境負荷が挙げられます。
例えばFAX番号の入力ミスで第三者に情報が送られる可能性がありますが、送った後でそのミスに気づきにくいというのも難点です。また、図面や写真などの詳細なデータでは多くの場合、画質が劣化してしまいます。紙を使用するという点では、ペーパーレスの現代においては環境への負荷も無視できません。デジタルデータとしての保存や編集が難しいという欠点もあります。
これらの理由から、多くの企業ではFAXに代わる、より安全で効率的なデータ受け渡し方法を採用するようになっています。
取引先から重要なファイルを受け取りたいときは、
「SECURE DELIVER(セキュアデリバー)」の引き取り便がおススメです!
取引先と安全かつ便利にファイルを受け渡しする方法としては、先述したように法人向けのファイル転送サービスが挙げられます。
しかし、ファイル転送サービスの中には、データの安全な送信はできるものの、取引先からデータを受け取る機能が用意されていない場合があります。
例えば取引先から重要ファイルを送ってもらうとき、パスワード付きZipファイルがメール添付で送られてきたり、社内で許可されていない無料サービスやUSBメモリなどの手段でファイルが送られてアクセスできなかったりして、困ったことはありませんか。
そこでおススメなのが、富士フイルムのファイル転送サービス「SECURE DELIVER(セキュアデリバー)」。本サービスはファイルの送信機能だけでなく、取引先から安全にファイルを受け取れる「引き取り便」機能を提供しています。
引き取り便とは?
「引き取り便」は取引先からデータを受け取りたいときに、安全で簡単に使える「SECURE DELIVER」の機能の一つです。データを受け取りたいユーザーは、Webブラウザで自社の「SECURE DELIVER」サイトにアクセスし、「引き取り便」を選択。取引先ユーザーのメールアドレスやメッセージを入力すると、「SECURE DELIVER」から取引先ユーザーにURLが自動送信されます。取引先ユーザーは、受け取ったURLをクリックするだけでサービスサイトにアクセスでき、送りたいファイルをドラッグ&ドロップし、送信ボタンをクリックするだけで送信が完了。画像や動画などの大容量データでも、安全・簡単かつスムーズにデータを受け取ることができます。
引き取り便が便利な理由
「SECURE DELIVER」の引き取り便は、安全性と利便性を兼ね備えたファイル受け取り機能です。その特長は次のとおりです。
誰でも簡単にデータ受け取り
データを送信する取引先は、受け取ったURLから簡単にファイルをアップロード。使い方のレクチャーなども不要で、初めてでも直感的に操作できます。一方、データを受信する側も、複雑な操作なしで即座にデータを受け取れます。
安全・安心なデータ受け取り
取引先からのファイルは、送受信時、保存時とも暗号化。自動的にウイルスチェックもされるため、企業間で安全・安心なデータの受け取りが可能です。
取引先のアップロード忘れを防止!
受信側のユーザーは、引き取り便のURLを送付後、サービス画面上で取引先のアップロード状況をリアルタイムに確認できます。まだアップロードしていない取引先には、リマインドメールを自動的に送付。アップロード忘れを防止し、データのやり取りをスムーズに進行させます。
「引き取り便」利用シーン
精密機器メーカー様
取引先からの検証用データ受領に引き取り便を活用。
取引先からのデータが送付されるとメールで通知が届くため、すぐに作業に移れるようになった。
Webデザイン制作会社様
取引先からのデータ入稿時に引き取り便を活用。
セキュリティリスクの高い無料サービスの利用やパスワード付きZipファイルでの送付を廃止し、安全性を向上。取引先からも「簡単で便利」と好評。
建築コンサルティング会社様
取引先から大容量の図面データや現場写真を効率的に収集。
図面や写真は大容量のため、従来はUSBなどのメディアで収集していたが、引き取り便を使うことでWebのみでの簡単なデータ授受が実現できた。
いかがでしたか。貴社もデータの受け取りに「引き取り便」を活用し、
セキュリティや利便性の向上でDX推進しませんか?
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