カードの製造は“ヒミツ”が多いらしい。それはナゼ？

お話を伺ったのは、富士フイルムイメージングシステムズ株式会社、営業推進部のみなさんです。

まず初めに、フジフイルムがカードを作っているというのは、あまり知られていませんよね？

「そうですね。実はフジフイルムのグループ内でも、意外に知られていなかったりするほどなんですが…（笑）。ただ、それには少し理由もあるんです。 例えば、お財布の中にお持ちのクレジットカード、どこで作られたものか知っていますか？」

カード会社から送られてきたものですが、そういえば、あまり意識したことはありませんでした。

「私たちが作っている『IC・IDカード』は、データを記録したり演算したりするための『ICチップ』を内蔵し、『ID』すなわち持ち主の氏名や所属などの個人情報（アイデンティティ）が記録されているカードです。
つまり、重要な個人情報が記録されているカードですから、極めて厳重なセキュリティのもとで作らなければなりません。
そのような理由で、私たちを含め、『どんな企業が、どんなカードを作っているのか』が公になりにくいんです」

なるほど！ 「IC・IDカード」は、私が私であることを保証するためのものだから、製造も含めて厳重なセキュリティで守られているんですね！

実は “あのスポーツ”のカード、フジフイルムが作っています

ヒミツが多い理由はわかりました！
……でも、どんなカードを作っているのか、ちょっとだけでも見せてもらえませんか？

「そうですよね。ご安心ください。ご覧いただけるものもあるんですよ。

【関連リンク】 サッカー大好きWAON

電子マネー『WAON』をご存知ですか？
電子マネー『WAON』には、ご利用・目的にあわせたいろいろな種類のカードがあり、その1つに『サッカー大好きWAON』というカードがあります。
『サッカー大好きWAON』は、電子マネーとしての機能の他に、応援するチームの『サッカー大好きWAON』を使って支払うと、利用額の一部がクラブチームのホームタウン活動に役立てられ、毎日のお買い物で贔屓のチームを応援できるんです。
『サッカー大好きWAON』カードのうち、鹿島アントラーズ、浦和レッドダイヤモンズ、川崎フロンターレ、ガンバ大阪などのチームのカード製造を、フジフイルムがお手伝いしています」

この記事をご覧いただいている方の中にも、その『サッカー大好きWAON」をお持ちの方がいるかもしれませんね！

ほかにも、あまり詳細なことは言えませんが、企業、大学、運転免許証や、公務員の方のカードなど、さまざまなお客さまのカードを手がけています。年間では100万枚、1000万枚単位のカードを製造しています」

「写真入りIC・IDカード」ならフジフイルム！

そういえば、フジフイルムグループの社員証には、顔写真が印刷されていますよね。やっぱり「写真＝フジフイルム」という感じがします。

「フジフイルムは写真に強い企業ですから、IC・IDカードでも『顔写真入り』のものについては、アドバンテージを持っています。
特徴的なのが『画像データ収集・撮影サービス』です」

カードに印刷される写真も、すごい数になりますよね。例えば富士フイルムグループ全体の従業員（連結）では、約7万8000人。この全員の写真を撮るとなると…。気が遠くなってきました（笑）。

「『画像データ収集・撮影サービス』では、全国にプロカメラマンを派遣するのはもちろん、証明写真撮影装置のような『セルフ型撮影装置』を一定期間貸し出して、大人数の社員の方の撮影を行うサービスも行っています。

セルフ型撮影装置

撮影された写真は、フジフイルム独自の画像処理技術『Image Intelligence』で適切な色に補正され、自動でトリミングしてカードに印刷できる仕組みです。
数千人、数万人規模の企業でも、効率的に写真入りIC・IDカードを作ることが可能です」

まさに「フジしか知らない世界」という感じですね！

「顔写真入りカードのニーズは非常に高いと感じています。ICチップの情報だけでは、『他人のカードを使って、その人になりすます』ということも可能ですよね。写真入りなら顔を見れば一目瞭然ですから、より高いセキュリティが保たれます。
写真の品質も含め、これが私たちの大きな強みになっています」

セキュリティ強化だけではなく、ICカードは勤怠管理や複合機認証、電子マネーなどの機能を持たせることができるため、業務の効率化や利便性の向上にも役立っているんです。

IoT時代の課題解決にIC・IDカードの技術が貢献する

IC・IDカードの技術は、「本人であることを保証する」というだけでなく、ICタグとして大量のモノを固有のIDで管理することにも貢献できるのだといいます。

「あらゆるモノがネットワークにつながっていくIoT時代。IC・IDカードの技術で、お客さまのさまざまな課題を解決していきたい」と語る、富士フイルムイメージングシステムズのみなさん。