- インフルエンザが流行する季節になりました。ワクチン不足を伝える報道などもあり、対策に悩んでいる方も多いかもしれません。今月ご紹介する「Hydro Ag+(ハイドロ エージープラス)」は、高いアルコール濃度と銀イオンの力で医療現場でも活躍している除菌スプレー・クロスです。じつはこの製品、富士フイルムが長年研究してきた写真フィルムとも関係の深いものらしいのですが、その理由とは…?
注射を思い出すこのニオイ…!
病院の細菌・ウイルス対策を自宅でも
こちらが「Hydro Ag+(ハイドロ エージープラス)」です。スプレーして拭き上げるタイプと、クロスタイプの2種類。医療現場で使われている“プロ仕様”の特長をそのままに、一般家庭でも使える商品として新登場しました。
除菌スプレーや除菌クロスといった製品はドラッグストアなどで目にすることも多く、皆さまにもお馴染みではないでしょうか。まずは「何が違うの?」という初歩的なところから、富士フイルム メディカルシステム事業部の方に聞いてみましょう。
「手に取っていただければ、その違いを感じることができると思いますよ。まずは『Hydro Ag+ アルコールクロス』を取り出してみてください」
では、サンプルを開けてみましょう。手にとった感じは…成分がたっぷり染みこんでいますね。そしてこれは……「注射の時の匂い」がします!
「注射の前のアルコール消毒の匂いですよね。『Hydro Ag+』のアルコール濃度は60%。高い除菌能力があるんです」 ※注射殺菌に使われるアルコール濃度は約80%。
アルコール成分が入った除菌クロスはこれまでにも使ったことがありますが、ここまで「病院らしい匂い」を感じたことはない気がします。
「アルコールはこのくらいの濃度がないと十分な除菌効果が出せません。アルコール濃度60%は、ご家庭で安全に使える最大限の除菌力を持っていますから、インフルエンザウイルスをはじめとした幅広い菌やウイルスに高い除菌効果を発揮します。
ちなみに多くのアルコールスプレーやアルコールクロスは濃度40%以下のものが多いので、実は除菌効果は限定的なんですよ」
えっ、そうなんですか!? でも、確かにこの匂いなら“効いてる”感がすごいですね。
銀イオンを含む超撥水膜コーティングで
拭いたあとも除菌効果が持続する!
アルコール濃度の高さが、除菌能力に関わることはよくわかりました。
次に、『Hydro Ag+』の商品名にもなっている銀イオン(Ag+)の効果について教えてください。
「『Hydro Ag+』の最も大きなメリットは、テーブルなどを拭いたあと、長時間にわたって除菌性能が続くことです。私たちはこれを『持続除菌』と呼んでいます。
アルコールで拭いた場合、拭いた直後はアルコールによって除菌されますが、アルコールが乾いてしまうと、空気中に漂っているウイルスや菌で再び汚染されてしまいます」
アルコールによる除菌は一時的なものなんですね。
「『Hydro Ag+』は、拭いた部分に超親水性ポリマーという高分子の膜を作っています。膜に含まれる銀系抗菌剤からは常に銀イオン(Ag+)が放出され、ウイルスや菌に付着して増殖を抑制することができます」
試しにこのスマホを拭いてみると…。綺麗になるのはもちろん、ツルツルになりますね。膜ができている感じがします!
「最近はトイレでスマホを操作するという方も多いですよね。大腸菌はトイレットペーパーを重ねていてもすり抜けてくると言われていますから、スマホはぜひ『Hydro Ag+』で持続除菌していただきたいですね」
銀とともに歩んできた写真フィルムの時代
銀の新たな活用の模索から「持続除菌」は生まれた
「『Hydro Ag+』に活かされている技術は、富士フイルムが写真フィルムで培ってきた技術と関連があるんですよ」
銀イオンによる「持続除菌」と、写真フィルムの技術、一見すると違うジャンルに思えるんですが…?
「フィルム時代の写真を『銀塩写真』と呼ぶことはご存じの方も多いと思います。写真はハロゲン化銀に光を当てて反応させて画像を記録していますが、富士フイルムの高画質を追求してきた歴史は『銀をどれだけ細かくして、綺麗に分散して塗布するか』の歴史だといってもいいかもしれません」
銀が分散して存在する…、これは『Hydro Ag+』で拭いたあとの銀イオンの膜と似ていますね!
「歯の治療に銀を使ったり、銀食器が大昔から珍重されていることなどからもわかるとおり、比較的体に安全な金属であり、かつコラーゲンが主成分の写真フィルムがいつまでもかびたり腐ったりしないことから銀イオンに除菌効果があることは知られていました。
そこで、『ナノレベルで銀イオンを分散させれば高い除菌機能をもつ材料ができるのではないか』と考えたんです。これは、長い間フィルム開発を行ってきた富士フイルムだからこそ出てきた発想だと思います」
写真と除菌ではまったく違うイメージですが、核となる「銀の分散」という観点では驚くほど共通しています。
「写真記録がデジタルカメラに移行していく中、2003年くらいから、富士フイルムのフィルム製造技術を違う分野に活かすことができないか検討していました。『Hydro Ag+』は、そんな試行錯誤から生まれた製品でもあるんです」
年間1万人(合併症を含む)が命を落とすインフルエンザ
きちんとした除菌環境を家庭にも広げていきたい
『Hydro Ag+』はこれまで医療現場用として使われてきたそうですね。
「医療現場でも多くの評価を行い、除菌効果が認められてきました。院内の病床カーテンに噴霧して1ヶ月たっても除菌効果が変わらないと言った報告も有り、私たちも『Hydro Ag+』の効果には自信を持っています。
これから冬を迎え、特にインフルエンザが流行する季節ですが、インフルエンザは年間約1000万人以上が発症すると言われています。そのうち、1万人近くの方(厚労省QAより)がインフルエンザを起因とする合併症を含め命を落とすという重大な社会問題でもあります。
『Hydro Ag+』によって、医療現場レベルの『除菌の常識』を、一般のご家庭でも常識にしていきたいと考えています」
命の危険までは行かなくても、家族がインフルエンザになると登園・登校や出社ができなかったりと、体調だけでなく生活にも大きな影響が出ますね。
「病院では感染者を隔離することもできますが、家庭では現実的には難しいですね。一方、インフルエンザ患者が使った食卓で食事をするということは、ウイルスが存在する可能性が高い食卓から食事と一緒に体内に取り込んでしまう可能性があるということが一般的に言われています。
『Hydro Ag+』のような、しっかりとしたエビデンス(根拠)を持ったもので、しっかりと感染予防をしていただきたいと思います」
受験を控えた学生さんの家庭でも、感染予防が大きな問題になります。本番で後悔しないためにも、『Hydro Ag+』は強い味方になりそうですね。
【関連リンク】
くらしの向上プロジェクト!インフルエンザ予防について
- 取材を終えて、「これまで自分がどれだけウイルスだらけの環境にいたことか!」と実感…。自分のためはもちろん、家族や周囲の人のためにも、しっかりとした感染予防をしなくては、と思いました。
今年のインフルエンザは、『Hydro Ag+』で未然に撃退しましょう! - 詳細はこちら
この記事は、役に立ちましたか?
はい / いいえ / どちらでもない
- 第1回
20年間押し入れに 眠っていた「ネガ」を、“どうにか”してみた。
- 第2回
センスに自信がないパパが“アルバム大使”に入門してきた!
- 第3回
【祝30周年!写ルンです】はじめましての子どもたち、お久しぶりの大人たちがフィルム写真を撮ってみた!
- 第4回
見たいのに見られない、
「謎のテープ」から何かがはじまる?! - 第5回
思い切ってエイっ!水の中にデジカメ突っ込んで撮影してみた!子どもも大人も楽しめる「デジカメ写真で自由研究!」
- 第7回
一生分の人生記録が一本に入っちゃう!?フジフイルムが開発する"すごいテープ"を見てきた!
- 第8回
年末恒例、1日がかりの大仕事が・・たった30分に!?"超時短"フジカラーの写真年賀状を試してみた
- 第9回
2017年は、家族写真で「マイカレンダー」!絆を深める“目からウロコ”のテクニックを聞いてきた
- 第10回
あの駅もこのビルも、そして…その列車も!ノウハウと職人ワザが実現する"巨大広告"の舞台裏
- 第11回
スマホ写真の毎日を、"写真を楽しむ毎日"にライフスタイルを変える!?「スマホ de チェキ」体験記
- 第12回
富士フイルムの得意分野で医療に貢献!"きれいな写真画像"が病気を見つけやすくするって本当?!
- 第13回
あなたの社員証ももしかして…!?“写真に強い”フジフイルムのIC・IDカード
- 第14回
"時を飾る"という、新しい価値。「ウォールデコ」が思い出を日常にする
- 第15回
かわいい! 飾りやすい! フォトジェニック! 写真のある毎日を身近にする「ましかくプリント」に注目
- 第16回
実は世界のテレビ放送を支えているって知ってますか? レンズブランド「フジノン」の内覧会潜入レポート
- 第17回
もっと“美しい私”でプリント!新サービス「美肌モード」の魔法
- 第18回
2大テーマパークや、サンリオピューロランドでも!アトラクションごとにオーダーメイドで対応
- 第19回
「押されると赤くなる」ただそれだけのフィルムが40年以上製造業の現場で支持されているヒミツとは!?
- 第20回
独創的な「ユビーク技術」で自動車シートにオリジナルデザインをオーダーできる時代が来る!?
- 第21回
銀(Ag+)のチカラで「持続除菌」!インフルエンザ対策にもおすすめの新・除菌習慣
- 第22回
1月1時間で素敵な家族のアルバムが完成「つづけるアルバム」が日本のアルバムを変える!
- 第23回
学校の思い出写真をインターネットでカンタン注文!高いセキュリティで選ばれる「フジフイルムスクールフォト」
- 第24回
「速い」「美肌」は当たり前! 画像ダウンロードやマイナンバーカード申請もOKな証明写真ボックス
- 第25回
デジタルミラーレスカメラが映画撮影の現場に!? Xシリーズ最新モデル「X-H1」開発秘話
- 第26回
視界の隅々までクッキリ&ハッキリ! 製造現場を支える機械の目「マシンビジョンレンズ」
- 第27回
美しい髪色がずっと長持ち! 花王との共同開発で生まれた「レインボー染料」とは?
- 第28回
全国33会場で今年も開幕!想いをつなぐ『50,000人の写真展』
- 第29回
“その道”では「いつかは手に入れたい」憧れ! フジノンの双眼鏡
- 第30回
「ひび」を見つけて社会を守る!「ひびみっけ」ってどんなサービス?
- 第32回
東京ミッドタウン「フジフイルム スクエア」で写真の歴史と文化、アートに触れる
- 第33回
膨大なデータを効率的に印刷!私たちの暮らしに欠かせない「自動組版」とは?
- 第34回
簡単だから続けられる。残っていく。スマホ×写真プリント=「かぞくのきろく」
- 第35回
皇居周辺をお好みのXシリーズで試し撮り散歩!デジカメと一緒に長く付き合える「富士フイルム イメージング プラザ」
- 第36回
3ステップで手軽に写真プリントを注文できる「超簡単プリント」をやってみた
- 第37回
“みせたくなる”本『PhotoZINE(フォトジン)』担当者が絶対に入れたかったこだわりポイントとは?
- 第39回
自分だけの、家族だけの『フォトグッズ』「使って、贈って、うれしい」新しい写真の楽しみ方
- 第40回
「守る」「快適」そして…「見える」!ウィンドウフィルムは縁の下の力持ち
- 第41回
撮って、すぐ出て、音も記録できる!新世代チェキ「instax mini LiPlay」が楽しい
- 第42回
エンジンを守り燃費向上にも貢献!「超分子」が実現した画期的なエンジンオイル用材料
- 第43回
快腸なら調教も快調!富士フイルムが競走馬の腸内環境をサポート
- 第44回
熱処理せずに「生ビール」が飲める幸せ…実は、ミクロフィルターのおかげだった!
- 第45回
ネガフィルムの写真も簡単・快適にデジタル化 “思い出探し”が楽しくなる「フォトバンク」がうれしい!
- 第46回
首が曲がって投影方向は自由自在!新しい映像表現を支えるプロジェクターが誕生