
美しい髪色がずっと長持ち!
花王との共同開発で生まれた「レインボー染料」とは?
- ヘアカラーやヘアマニキュアで、「思った色にならない」「すぐ色落ちしちゃう」そんな経験がある方も多いのではないでしょうか? 今回ご紹介する「レインボー染料」は、これまでのヘアカラーリングの常識を覆す画期的な染料。思い通りの髪色を楽しめる時代が、すぐそこまで来ています!
写真で培った染料合成技術に注目!
花王との共同研究のきっかけは?
 今回のテーマは「ヘアカラー」。訪ねたのは富士フイルムのファインケミカル事業部です。
 手にされているのは、髪色のサンプル!
      手にされているのは、髪色のサンプル!  
    
色鮮やかな虹色の髪色ですね。
「上段はベースの髪色がより淡い場合のカラーサンプルになります。のっぺりとした平面的な色味ではなく、色に陰影や立体感が表現できるのが『レインボー染料』を用いたヘアカラーリング剤の特徴です」
       サンプルはわずかな髪の量ですが、これでも自然で鮮やかな発色がわかります
      サンプルはわずかな髪の量ですが、これでも自然で鮮やかな発色がわかります  
    
色鮮やかでありながら、「染めてる」感があまりなくて、「元からこんな髪色なんですよ」という自然な感じがありますね。
ところで、富士フイルムとヘアカラーというと、少し意外な組み合わせという気がしますが…。
「このレインボー染料は、富士フイルムだけの研究ではなく、花王さんとの共同研究の成果なんです。研究がスタートした2000年頃、ヘアカラーの世界では新しい染料開発が活発になっていました。そのような中、写真で培った染料合成技術を持つ富士フイルムに相談があり、共同研究が始まったんです」
そうだったんですね!
「富士フイルムは写真プリントなどの研究を通じて、約4万種の染料ライブラリを持っていました。まずはその中から、ヘアカラーに求められる機能を満たすものをピックアップすることから始めました」
4万種類というのは、また膨大ですね。そして、ヘアカラーに求められる機能というと…。
「発色性はもちろん、身体に付けるものですから安全性が求められます。その中で『髪用の染料として必要な特性を持つもの』を絞り込んでいきました。
有望な染料を絞り込んだ上で、花王さんの長年の毛髪研究の知見も取り入れ、分子構造を変えながら機能を追加し、新しい染料を開発していきました。最終的には1000種類くらいの染料を検討したんですね」
サラッと「分子構造を変える」とおっしゃいましたが、そんなに簡単にできるものなんですか?
「簡単にできるわけではないんですが、それこそが富士フイルムの技術力といえると思います。『分子をこういう構造にすると、こんな色になる、こんな機能を持たせられる』というのは、富士フイルムが得意とする分野なんです」
10年以上もの研究期間が必要な理由が、なんとなくわかった気がします!
髪だけを染め、長持ちして、色鮮やか
まったく新しいヘアカラーリング剤とは?
 見せていただいたサンプルのような、鮮やかな発色には、どんな技術が使われているんでしょう?
「レインボー染料はこれまでのヘアカラーやヘアマニキュア用の染料とは違い、『染める条件を変えることで髪への染み込み方を変えられる』のが大きな特徴となっています。

 ヘアカラーは、小さな分子を髪のキューティクルの間から髪の内部に入れ、そこで化学反応を起こして発色させています。化学反応によってできる染料があまり鮮やかでないので、くすんだ色になりやすいという課題がありました。
また、ヘアマニキュアは髪の表面付近に吸着させています。発色はとても鮮やかなのですが、色が落ちやすいという特徴があります」
そうだったんですね。いままで髪を染めたことはありましたけど、その違いをちゃんと理解してませんでした!(笑)
そして、そこに「レインボー染料」が登場したわけですね。

「レインボー染料は
①	 髪への浸透深度をコントロールして、立体感のある髪色が表現できる
② 鮮やかで幅広い色合いを自在に表現できる
③ 髪だけを染めて、肌(頭皮)は染まりにくい
④ 髪にはしっかり浸透して、色が長持ちする
といった特長があります」
いいことだらけじゃないですか!
「はい。これまでのヘアカラーやヘアマニキュアの欠点を克服したのが、『レインボー染料』なんです。」
       
    
欧米のサロンが注目!
これからのヘアカラーが変わる!?
    いま見せていただいたのが「レインボー染料」を使った商品ですか?
       
    
「はい。こちらは花王さんのヘアサロン専用ブランド「GOLDWELL(ゴールドウェル)」から、『@PURE PIGMENTS(ピュアピグメント)』という製品名で販売されています。現在は欧州のヘアサロンで展開し、秋には北米でも発売が予定されています」
なるほど。欧米に旅行して、サロンに行けば体験できるんですね!
「欧米はカラフルな髪色のニーズが高く、サロン関係者からも高い評価を得ています。インスタグラムでも「#purepigments」で検索すると、素敵な写真がたくさん出てきますよ。
レインボー染料は、新しいヘアカラーリング用の色素としてたくさんのポテンシャルを秘めていると考えています。現在は欧米サロンでの提供ですが、花王さんとは、ヘアカラーリング剤をもっと身近に、より多くのお客様が安心してご使用になれるようにしたいという目標を共有し、今後も協力していきたいと思っています。
ぜひ『レインボー染料』が実現するヘアカラーの未来を楽しみにしていただきたいですね」
ファッショントレンドにも影響を与える
富士フイルムの「レインボー染料」
富士フイルムの持つ染料開発の技術と、花王の毛髪制御技術が融合して生まれた「レインボー染料」。鮮やかな3原色(赤、青、黄)の染料を組み合わせて、まさに虹色のような多彩な色を表現できる新商品は、これからのファッショントレンドを変える力を持っているのかもしれませんね。 詳細はこちら
この記事は、役に立ちましたか?
はい / いいえ / どちらでもない
 
 
- 第1回 20年間押し入れに 眠っていた「ネガ」を、“どうにか”してみた。 
- 第2回 センスに自信がないパパが“アルバム大使”に入門してきた! 
- 第3回 【祝30周年!写ルンです】はじめましての子どもたち、お久しぶりの大人たちがフィルム写真を撮ってみた! 
- 第4回 見たいのに見られない、 
 「謎のテープ」から何かがはじまる?!
- 第5回 思い切ってエイっ!水の中にデジカメ突っ込んで撮影してみた!子どもも大人も楽しめる「デジカメ写真で自由研究!」 
- 第7回 一生分の人生記録が一本に入っちゃう!?フジフイルムが開発する"すごいテープ"を見てきた! 
- 第8回 年末恒例、1日がかりの大仕事が・・たった30分に!?"超時短"フジカラーの写真年賀状を試してみた 
- 第9回 2017年は、家族写真で「マイカレンダー」!絆を深める“目からウロコ”のテクニックを聞いてきた 
- 第10回 あの駅もこのビルも、そして…その列車も!ノウハウと職人ワザが実現する"巨大広告"の舞台裏 
- 第11回 スマホ写真の毎日を、"写真を楽しむ毎日"にライフスタイルを変える!?「スマホ de チェキ」体験記 
- 第12回 富士フイルムの得意分野で医療に貢献!"きれいな写真画像"が病気を見つけやすくするって本当?! 
- 第13回 あなたの社員証ももしかして…!?“写真に強い”フジフイルムのIC・IDカード 
- 第14回 "時を飾る"という、新しい価値。「ウォールデコ」が思い出を日常にする 
- 第15回 かわいい! 飾りやすい! フォトジェニック! 写真のある毎日を身近にする「ましかくプリント」に注目 
- 第16回 実は世界のテレビ放送を支えているって知ってますか? レンズブランド「フジノン」の内覧会潜入レポート 
- 第17回 もっと“美しい私”でプリント!新サービス「美肌モード」の魔法 
- 第18回 2大テーマパークや、サンリオピューロランドでも!アトラクションごとにオーダーメイドで対応 
- 第19回 「押されると赤くなる」ただそれだけのフィルムが40年以上製造業の現場で支持されているヒミツとは!? 
- 第20回 独創的な「ユビーク技術」で自動車シートにオリジナルデザインをオーダーできる時代が来る!? 
- 第21回 銀(Ag+)のチカラで「持続除菌」!インフルエンザ対策にもおすすめの新・除菌習慣 
- 第22回 1月1時間で素敵な家族のアルバムが完成「つづけるアルバム」が日本のアルバムを変える! 
- 第23回 学校の思い出写真をインターネットでカンタン注文!高いセキュリティで選ばれる「フジフイルムスクールフォト」 
- 第24回 「速い」「美肌」は当たり前! 画像ダウンロードやマイナンバーカード申請もOKな証明写真ボックス 
- 第25回 デジタルミラーレスカメラが映画撮影の現場に!? Xシリーズ最新モデル「X-H1」開発秘話 
- 第26回 視界の隅々までクッキリ&ハッキリ! 製造現場を支える機械の目「マシンビジョンレンズ」 
- 第27回 美しい髪色がずっと長持ち! 花王との共同開発で生まれた「レインボー染料」とは? 
- 第28回 全国33会場で今年も開幕!想いをつなぐ『50,000人の写真展』 
- 第29回 “その道”では「いつかは手に入れたい」憧れ! フジノンの双眼鏡 
- 第30回 「ひび」を見つけて社会を守る!「ひびみっけ」ってどんなサービス? 
- 第32回 東京ミッドタウン「フジフイルム スクエア」で写真の歴史と文化、アートに触れる 
- 第33回 膨大なデータを効率的に印刷!私たちの暮らしに欠かせない「自動組版」とは? 
- 第34回 簡単だから続けられる。残っていく。スマホ×写真プリント=「かぞくのきろく」 
- 第35回 皇居周辺をお好みのXシリーズで試し撮り散歩!デジカメと一緒に長く付き合える「富士フイルム イメージング プラザ」 
- 第36回 3ステップで手軽に写真プリントを注文できる「超簡単プリント」をやってみた 
- 第37回 “みせたくなる”本『PhotoZINE(フォトジン)』担当者が絶対に入れたかったこだわりポイントとは? 
- 第39回 自分だけの、家族だけの『フォトグッズ』「使って、贈って、うれしい」新しい写真の楽しみ方 
- 第40回 「守る」「快適」そして…「見える」!ウィンドウフィルムは縁の下の力持ち 
- 第41回 撮って、すぐ出て、音も記録できる!新世代チェキ「instax mini LiPlay」が楽しい 
- 第42回 エンジンを守り燃費向上にも貢献!「超分子」が実現した画期的なエンジンオイル用材料 
- 第43回 快腸なら調教も快調!富士フイルムが競走馬の腸内環境をサポート 
- 第44回 熱処理せずに「生ビール」が飲める幸せ…実は、ミクロフィルターのおかげだった! 
- 第45回 ネガフィルムの写真も簡単・快適にデジタル化 “思い出探し”が楽しくなる「フォトバンク」がうれしい! 
- 第46回 首が曲がって投影方向は自由自在!新しい映像表現を支えるプロジェクターが誕生 





