「ひび」を見つけて社会を守る!
「ひびみっけ」ってどんなサービス?
- 今回紹介する富士フイルムのサービスは…、その名も「ひびみっけ」! ちょっと不思議でかわいらしい名前ですよね。「ひび」というのは、細かい割れ目や亀裂を意味する、あの「ひび」のことなのですが…。みなさんはどんなサービスなのかわかりましたか?
橋やトンネルの「ひびを見っけ!」
老朽化する社会インフラの安全をチェックする
まずは単刀直入に伺います。「ひびみっけ」ってどんなサービスなんですか?
「読んで字の如く、という感じなのですが、『ひびを見つける』ことから『ひびみっけ』というサービス名にしました」
やっぱり「みっけ」というのは「見っけ!」という意味だったんですね。
「ひび」と言えば、ガラスや陶器などは私たちの日常でも身近ですが、そういう「ひび」を見つけるわけじゃ…ないですよね。
「そうですね、もう少しスケールが大きいですね。実は、橋やトンネルといった、主に道路に関連する社会インフラの『ひび』を見つけるサービスなんです」
「2012年12月の笹子トンネルの崩落事故を覚えている方も多いと思います。あの事故を受けて、2014年からトンネルや橋梁の点検方法が厳格化され、5年に1回の近接目視点検が義務づけられました」
道路を利用する私たちとしては、ちゃんと点検してくれたほうが安心ですが…。
「はい。ところで、日本全国にトンネルや橋がどのくらいあるかというと、トンネルは約1万本、橋は約70万橋あります。5年に1回点検するとしても、年間で2000本のトンネルと、14万橋の橋を点検する計算になります」
そんなに! その膨大なトンネルや橋で、ひびをチェックするとなると…かなり大変な作業ですね…。
撮影した写真をアップロードするだけ
簡単操作で点検作業の時間を大幅に短縮!
ひびの点検作業はどのように行われるんですか?
「まずは作業員の方がひびを見つけた箇所にチョークで線を引きます。それが終わったら写真撮影し、それをスケッチします」
地道な手作業なんですね。
「トンネルや橋は高所での作業です。ホコリやススが付いているので、それを拭きながらの作業ですから非常に大変なんです。
そして、スケッチして終わりではありません。スケッチを貼り合わせ、最終的にはCADデータ(設計用のデータ)を作成しなければなりません」
そこで「ひびみっけ」の出番ですね!
「『ひびみっけ』の作業手順は、以下のようなイメージです」
スケッチをする必要がなく、CADデータも自動でできちゃうんですね!
「しかも、『ひびみっけ』は販売用ソフトウェアではなく、オンラインサービスという特徴があります。撮影したデータをオンラインにアップロードするだけの簡単操作というのもポイントですね」
オンラインサービスというのは意外な気がします。
「業務用ソフトウェアはどうしても高額になりがちですが、点検の現場ではそれほどの導入コストを捻出するのが難しいんです。オンラインサービスにして、分析・合成結果に満足した段階でご購入いただく形にすることで、より手軽に利用してもらえるサービスを目指しています」
富士フイルムの医療関連技術も応用
ディープラーニングで100%に近いひび検出精度を実現
「『ひびみっけ』では、先ほど紹介したチョークの跡を自動で合成する機能だけでなく、ひび割れそのものを検出する機能もあります」
「見つかったひびを補修する前の事前検査などで、ひびの量を推定することができます」
どうやってひびだと判断しているんですか?
「実はひびの検出には、富士フイルムの医療技術を応用しています。血管や腫瘍を分析・発見する画像解析技術が『ひびみっけ』にも活かされているんですよ」
医療の技術が、トンネルや橋の点検にも使われるというのは、まさに富士フイルムならではの展開ですね。
「分析についても、AIによるディープラーニングを行い、より精度の高いひびの検出が可能になっています。今ではほぼ100%に近い検出結果が出せるようになりました。
日本の社会インフラは老朽化が進み、築後50年以上経ったものが今後ますます増えてきます。一方で、人手不足で検査員が確保できないという現場の声も高まっています。
そんな現場からは、画像分析や画像合成技術で作業の負荷を軽減する『ひびみっけ』を評価していただいています」
今後、橋やトンネル以外の「ひび」にも対応していくのですか?
「将来的にはマンションの外壁や、電柱、アスファルトなどの点検にも展開していけたらと思っています。また、ドローンやロボットの活用や動画への対応など、入力デバイスの拡充も含めて対応していきたいですね」
社会インフラの点検を通じて
私たちの安全を守る「ひびみっけ」
「ひびを見つける」。単純なことのようですが、そこには最先端の画像解析技術があり、その信頼性が最終的に私たちの安全な暮らしにつながっている。そんなことを感じた「ひびみっけ」の取材でした。 詳細はこちら
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「ひびみっけ」の正体を探るべく、お話を聞いたのは富士フイルムの産業機材事業部のお二人です。