主な流行時期はいつ?チェックしておきたい子どもの感染症リスト

子どもの急な発熱や嘔吐は、やっぱりあわててしまいますよね。子どもがかかりやすい病気はいろいろあるので、まずは知識として一度頭に入れておくと、いざというときあわてずにすみます。

子どもがかかる主な感染症一覧と流行時期

ウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入し、増殖して引き起こされる感染症。とくに子どもがかかりやすい感染症には以下のようなものがあります。

風邪症候群

いわゆる風邪です。急に始まり症状はのどや鼻に限局します。80%以上はウイルス性でライノウイルスやコロナウイルスが多いですが、ほとんど軽症です。

・主な症状:のどの痛み、鼻水、発熱
・主な流行時期:通年、冬季に多い

インフルエンザ

インフルエンザウイルスで感染します。感染力が強いので流行しやすいですが、インフルエンザワクチンを接種することで重症化のリスクが抑えられます。

・主な症状:悪寒、頭痛、高熱(39~40度)
・主な流行時期:12~3月ごろ

突発性発疹

ヒトヘルペスウイルスが原因。突然高熱が出て、熱が下がるころ、赤い発疹が出ます。6~18カ月の乳幼児がかかることが多く、熱が下がったあと不機嫌になる子もいます。

・主な症状:発熱、発疹
・主な流行時期:通年

プール熱(咽頭結膜熱)

アデノウイルスが原因の夏風邪の一種。プールで感染することも多いので、プール熱と呼ばれます。

・主な症状:発熱(38~39度)、のどの痛み、目の充血、目やに
・主な流行時期:6月から流行りはじめ、7~8月がピーク

手足口病

エンテロウイルスによって、口の中や手足に径2-3mmの水泡性の発疹が出ます。発熱する人もいますが、あまり熱は上がりません。乳幼児に多い夏風邪の一種です。

・主な症状:水疱性の発疹
・主な流行時期:夏が中心、7月下旬がピーク

ヘルパンギーナ

コクサッキーウイルスなどによる夏風邪の一種。1~4歳の乳幼児がかかりやすい病気です。高熱が出て、のどに水疱ができ痛みます。

・主な症状:発熱(39~40度)、のどの痛み(水泡)など
・主な流行時期:初夏から夏にかけて

りんご病(伝染性紅斑)

ヒトパルボウイルスB19型(エリスロウイルスB19型とも)が原因。5~9歳の幼児がかかりやすい病気です。りんごのように頬が真っ赤になるのが名前の由来です。

・主な症状:両方の頬に赤い発疹(紅斑)、手足にレース状の発疹、微熱
・主な流行時期:通年、7月上旬がピーク

RSウイルス感染症

乳幼児を中心にかかる冬の風邪。年長や成人は軽い風邪で済むことが多いですが、赤ちゃんは呼吸器に感染して重症化するおそれもあるので注意。

・主な症状:発熱、鼻水、発熱
・主な流行時期:秋から冬

麻しん(はしか)

高熱と頭頚部に始まり全身に広がる赤い発疹が特徴。感染力がとても強く、免疫がなければ大人でも感染します。肺炎6%、脳炎1%など合併症も多く、患者1000人に1人の割合で死亡する可能性があります。

・主な症状:発熱、咳、くしゃみ、発疹
・主な流行時期:通年

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)

ムンプスウイルスにより感染。両側、時に片側の耳下腺が腫れます。3~6歳くらいの子どもに多い病気です。ほとんどが軽症ですが軽度の髄膜炎の合併が10%くらいあります。

・主な症状:耳下腺の腫れ、発熱
・主な流行時期:冬から初夏にかけて

風疹(三日はしか)

風疹ウイルスによるもの。最初は風邪のような症状があり、発熱と赤い発疹が出ます。3日ほどで治ります。免疫のない妊婦が感染すると、胎児に感染して先天性風疹症候群を引き起こします。

・主な症状:発熱、発疹、リンパ節の腫れ
・主な流行時期:通年、春に多い

みずぼうそう(水痘)

水痘帯状疱疹ウイルスが引き起こす発疹性の病気です。9歳以下の子どもの発症が90%以上を占めるといわれます。軽症が多いですが、15歳以上、特に成人では重症化します。

・主な症状:発熱、全身の水疱や発疹
・主な流行時期:通年、12~7月に多い

感染性胃腸炎(食中毒)

O-157(腸管出血性大腸菌)、サルモネラなどの細菌、ロタウイルスやノロウイルスなどのウイルスが原因です。病原体よって症状も変わります。

・主な症状:嘔吐、下痢、血便
・主な流行時期:O-157やサルモネラは夏、ノロウイルスやロタウイルスは冬が多い

どうやってうつる?感染症の感染経路

病気がうつる主な感染経路には以下のものがあります。

飛沫感染

感染している人が咳やくしゃみをしたとき、口から病原体をふくむ飛沫が飛び散り、それを近くにいる人が吸い込むことで感染します。

<飛沫感染する主な病気>

風邪、インフルエンザ、新型コロナウイルス、風疹、麻しん、みずぼうそう、おたふくかぜ、プール熱、手足口病

空気感染

感染している人が咳やくしゃみをしたとき、口から病原体をふくむ飛沫が飛び散り、それが乾燥して微小な飛沫核となり空気中に拡散したものを、吸い込むことによって感染します。

<空気感染する主な病気>

麻しん、みずぼうそう

接触感染

握手や抱っこなど、感染者に直接触れることでうつる「直接接触」と感染者が触ったドアノブや手すりなどを別の人が触ることによって感染する「間接接触」があります。

<接触感染する主な病気>

インフルエンザ、新型コロナウイルス、O-157、RSウイルス、ロタウイルス、ノロウイルス、風疹、おたふくかぜ、麻しん、みずぼうそう、プール熱

経口感染

病原体をふくむ食べ物や飲み物を口から摂取することによって、病原体が体内に侵入し、感染します。

<経口感染する主な病気>

感染性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルス、O-157など)

どうやって防ぐの?感染症予防

感染症予防としては以下のようなものがあります。

手洗い・うがいを徹底する

外から帰ったあと、食事前、トイレのあとなどは必ず。ママは料理をする前にも。指の間や指先、手首なども念入りに手洗いをしてください。うがいは、はじめは口の中で「クチュクチュうがい」、次に上を向いてのどを洗う「ガラガラうがい」をしてください。

予防接種

感染症のなかには予防接種のワクチンが用意されているものがあります。定期接種と任意接種があります。

換気・加湿

室内の環境も重要です。ウイルスなどは空気中に飛び散っていることがあるので、定期的に換気を。インフルエンザウイルスは乾燥を好むので、必要に応じて加湿器やぬれタオルで湿度の調整をするのも有効です。

家の中の除菌

感染症の原因は、細菌やウイルスです。ドアノブや手すり、スイッチなどは、接触感染の原因にもなりうる場所なので、普段から除菌効果のあるクロスやスプレーを使って掃除をし、除菌をしておくのがおすすめ。持続効果のあるタイプならさらに効果が続きます。

関連記事