新型コロナとインフルエンザの症状の違いは?同時流行への予防
2020年の冬は季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行、いわゆるツインデミックが懸念されています。症状や感染力の比較、予防対策をまとめました。
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の見分け方
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症は、いずれも呼吸器系ウイルスによる感染症です。以下のような違いがありますが、共通する症状も多く、実際は症状だけでインフルエンザと新型コロナを見分けるのは難しいとされています。
主な症状
<インフルエンザ>
38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、倦怠感、のどの痛み、咳など
<新型コロナウイルス>
発熱、かわいた咳、倦怠感、頭痛、のどの痛み、味覚障害・嗅覚障害など
インフルエンザと新型コロナウイルスの感染力や致死率の比較
潜伏期間や致死率は以下のとおりです。インフルエンザは例年約1000万人が感染していますが、2019~2020年シーズンは約700万人と少なめでした。
インフルエンザ
- ・潜伏期間:1~3日
- ・ウイルス排出期間:5~10日、ピークは発病後2~3日後
- ・無症状感染:10%。無症状患者のウイルス量は少ない
- ・致死率:0.1%以下
- ・感染者数:約 728.5 万人(2019~2020シーズン)
新型コロナウイルス
- ・潜伏期間:1~14日(平均5~6日)
- ・ウイルス排出期間:感染力があるウイルス排出期間は10日以内。ピークは発病1日前
- ・無症状感染:数%~60%。無症状患者もウイルス量が多い
- ・致死率:2.5%(2020/8/5時点)
- ・感染者数:約8.8万人(2020/10/8時点)
※さらに詳しいインフルエンザと新型コロナウイルスの解説はこちら。
インフルエンザと新型コロナウイルスの同時感染はありえる?検査方法は?
すでに海外ではインフルエンザと新型コロナに同時感染した事例も報告されています。また、同時感染すると免疫が暴走する「サイトカインストーム」が起こりやすくなるのではないかという指摘もあります。
ウイルスに感染しているかどうかを調べる検査には、鼻やのどの奥の粘膜、唾液などを用います。現在、さまざまな検査キットの開発が進んでおり、検査キットによっては新型コロナとインフルエンザウイルスの同時検査も可能です。なお検査結果が陰性でも、感染を100%否定するものではありません。
予防接種は必要?インフルエンザのワクチンの効果
新型コロナウイルス感染症のワクチンはまだありませんが、インフルエンザのワクチン接種が同時感染の予防につながります。インフルエンザワクチンは、発病を完全に防ぐものではありませんが、発症する可能性を減らしたり、かかった場合に重症化を防いだりする効果があるとされています。
インフルエンザワクチンは65 歳以上の方などは定期接種対象者です。それ以外の方は任意接種ですが、日本感染症学会では医療関係者、高齢者、妊婦、子ども(生後 6 カ月以上から小学校2年生)への接種を強く推奨しています。ただ、健康状態によっては副作用が生じることもありますので、かかりつけ医と相談しながら接種してください。
インフルエンザワクチンの効果が持続するのは、一般的に5カ月ほど。流行する型は毎年変わるので、季節ごとに有効性には差があります。接種時期はインフルエンザが流行する前の12月中旬ごろまでが目安です。
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の予防対策
感染症の予防には、感染経路を断つことも重要です。インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の感染経路には大きく以下の2つがあります。
- ・接触感染:ウイルスが付着した手で口・鼻・目などに触れることで感染する
- ・飛沫感染:ウイルスを含む飛沫が口・鼻・目などに触れることで感染する
感染経路を断つ方法としては大きく以下の3つがあります。
1.身の回りのモノのアルコール消毒・除菌
身の回りの人がよく触れるモノにはウイルスが付着している可能性があります。家庭内ならテーブル・ドアノブ・手すりなど、オフィスならエレベーターボタン・スイッチなどは、日頃から除菌効果のあるスプレーやクロスで掃除をしておくと感染予防になります。持続効果のある除菌スプレーやクロスを使えば、さらに感染リスクを下げることができます。
2.手洗い・手指消毒
モノに付着したウイルスはしばらく生存しています。外出先では電車のつり革やエレベーターボタンなど知らないうちにウイルスが付着したモノに触れてしまい、手にウイルスが付着することがあるので、帰宅時や食事前の手洗いが重要です。すぐに手洗いができないときはアルコール消毒液で手指消毒をすることも有効です。手洗いや手指消毒後は乾燥や手荒れを防ぐために、保湿性の高い薬用ハンドジェルでケアするのもおすすめです。
3.マスクの着用
会話や咳をしたときに飛沫が飛び散るのを防ぐことができます。新型コロナウイルス感染症は無症状者からの感染も指摘されているので、他人に感染させないように対策が必要です。
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