接触感染を予防するために気を付けること
接触感染の予防策
現在は新型コロナウイルス対策で手洗いや除菌への意識も高まっていますが、インフルエンザなど既存の感染症対策では、マスクや手洗いに比べて「接触感染」の対策をする人は少ない傾向でした。接触感染の予防のためには手洗い・手指の消毒や身のまわりの除菌(環境清拭)が非常に重要です。
接触感染対策に対する意識は低い
小・中学校の子どもを持つママたちに、家庭で日頃行っているインフルエンザ対策について、アンケート調査を実施。
「手洗いの徹底」「うがいの徹底」「マスクの着用」が多い一方で、「テーブルなどの身の回りの除菌」「ドアノブ・手すりの除菌」を行っている家庭は少ないことがわかりました。
手洗い・手指消毒の方法
手洗い・手指消毒は感染対策の基本は手洗いです。外から帰ったときや調理の前後、食事前などには忘れずに手洗いを行うとよいでしょう。目に見える汚れがついているときやオムツ交換のあとなどは、石けんと流水を使い、指先や爪の間、手首まで丁寧に洗います。アルコール消毒薬で手指消毒をするときは、乾燥するまでしっかりすりこむことが大事です。
環境清拭(身の回りの除菌)の方法
身の回りをきれいに拭くことを「環境清拭(せいしき)」といいます。物についたウイルスはすぐには死滅しないので、日常的に手でよく触る場所をこまめに拭いて消毒・除菌しておくことが感染症予防につながります。
消毒には、エタノール(消毒用アルコール)や次亜塩素酸ナトリウム(家庭用漂白剤を薄めたもの)が使えます。アルコール消毒の場合は、市販のアルコールスプレーを吹きかけるか、アルコールシートで拭くなどして自然乾燥させます。最近は、除菌効果が数日~数カ月持続する製品もあります。次亜塩素酸ナトリウムは、家庭用塩素系漂白剤を薄めて使います。(目安の濃度は0.05%程度。製品の濃度が6%の漂白剤なら、水2リットルに対して約17ml)。薬液をペーパータオルなどに含ませて拭いたあと、水拭きをします。
<家庭内で消毒したほうがよい場所>
ドアノブ、窓の取っ手、電灯スイッチ、水道の蛇口、食卓、パソコンのキーボード、電話機など
<職場や集合住宅で消毒したほうがよい場所>
エレベーターのボタン、建物の出入り口のドアノブ、階段の手すりなど
なぜアルコール消毒なの?
ウイルスには、アルコール消毒が有効なものとそうでないものがあります。有効なのは、「エンベロープ」という脂質の膜で覆われた「エンベロープウイルス」です。この膜はアルコールで破壊でき、膜が破壊されるとウイルスは感染力をなくします。
一方、膜のない「ノンエンベロープウイルス」はアルコールや熱に強く、感染力も強いものが多いとされています。
<代表的なエンベロープウイルス>
インフルエンザウイルス、新型コロナウイルス、ヘルペスウイルス、風疹ウイルス、エイズウイルス、エボラウイルス など
<代表的なノンエンベロープウイルス>
ノロウイルス、ロタウイルス、ポリオウイルス、アデノウイルスなど
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