夏も冬も起こる!食中毒・感染性胃腸炎の原因と予防

子どもは抵抗力が弱いため、食中毒や感染性胃腸炎にもかかりやすく、注意が必要です。感染力の強い胃腸炎で家族みんながダウン…なんてことにならないよう、対策もしっかりしておきたいですね。

感染性胃腸炎・食中毒の原因とは?

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌に感染し、発熱や下痢、腹痛、嘔吐(おうと)などの症状がでる病気です。食品や水を介して感染するほか、人から人、ペットから人へうつることもあります。

感染性胃腸炎のうち、食品や水を経由して感染したものは一般的に「食中毒」と呼ばれます。食中毒の原因となる病原体は、細菌やウイルス、動物や植物がもともと持っている自然毒、寄生虫などさまざま。原因によって潜伏期間や流行る時期もかわります。たとえば、サルモネラやO-157など細菌が原因となる食中毒は梅雨から夏(6~8月頃)に多く発生。一方、ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルスが原因の食中毒は秋から冬(11~3月頃)に流行します。

食中毒の原因となる食べ物の一例

  • ・腸炎ビブリオ:刺身
  • ・サルモネラ:卵や卵の加工品、加熱不足の肉
  • ・黄色ブドウ球菌:おにぎり、いなりずし
  • ・大腸菌(腸管出血性大腸菌O-157を含む):加熱不足の肉、生野菜
  • ・カンピロバクター:鶏肉
  • ・ロタウイルス:飲料水、食物
  • ・ノロウイルス:カキなどの貝類

食中毒の予防

食中毒を予防するポイントは以下のとおりです。

手洗いの徹底

食中毒の原因となる雑菌を食べ物につけないよう、調理前、食事前、トイレ使用後、オムツ交換後などは、必ず手を洗うようにしてください。

食材の保存

夏場はスーパーで肉や魚を購入したら保冷材(氷)と共に持ち帰り、帰宅後すぐに冷蔵庫へ。肉や魚と生で食べる野菜などがふれないように保存します。

調理方法

多くの細菌は加熱に弱いので、夏場はしっかり火を通すことが大事。O-157は中心部の温度75度で1分間以上加熱すれば、死滅します。生で食べる野菜や果物はよく洗い、調理箸・包丁・まな板なども生ものと肉は使い分けを。外食のときも、子どもにはよく加熱された肉料理を選んであげると安心です。

調理器具を清潔に

調理後は包丁やまな板などの調理器具をしっかり洗い、清潔に保つことが大切です。

食卓や身の回りを除菌

食卓は除菌効果のあるスプレーやクロスを使って拭いておき、ドアノブや電気のスイッチなど、ふだんみんなが触る場所も定期的に除菌を。日頃から、家の中を清潔にしておくと、感染のリスクを抑えられます。

嘔吐したときの対応方法

赤ちゃんが嘔吐したら…

赤ちゃんが嘔吐したときは、吐いたものが気管に入らないように、顔を横に向けて寝かせます。症状が続くときは病院へ。

下痢や嘔吐があると、脱水症状になる危険もあります。赤ちゃんは大人より体内の水分量の割合が高く、脱水になりやすいので、吐き気がおさまったら水分補給をしっかりと。なお、下痢は体内から病原体を追い出そうとする体の防御反応なので、下痢止めはむやみに使わず、医師の指示に従って使用を。下痢のときは便にも病原体が含まれていることがあるので、オムツの処理にも気を配るようにします。

嘔吐物の片付け方は?

2次感染を防ぐためにも、吐いたものは正しく処理することが大切です。処理の際は、ゴム手袋やマスクをしておくと安心。まずは、吐いたものをペーパータオル等でしずかに拭きとり、ビニール袋などに入れて密閉して捨てます。処理したあとは、除菌作用のあるスプレーを吹きかけておくと、感染対策になるうえ、臭い防止にもなります。なお、ノロウイルスやロタウイルスの可能性がある場合は、塩素系消毒薬で拭いて消毒をしてから、除菌作用のあるスプレーを使うようにします。

関連記事