この少年は市場の片隅で運び屋をしているのでしょうか、幾重にも重ねたカラフルな竹籠の下から、じっとこちらを見つめている少年の視線に、強烈な存在感があります。口を一文字に結んだ表情の真剣さは、バランスをとるために常に意識を集中しているからでしょう。暗い背景で、さらに荷物の影で暗くなった表情のなかにあって、少年の眼がすべてを語っているように見えます。訴求力のある表現で、見応えのある作品になっています。
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