審査員 : テラウチマサト
1枚1枚の写真に力のあるものが非常に多くありました。僕が呼んでいます“写真的言語”に満ちあふれた感性豊かな写真というのが印象的でした。タイトルも中をのぞいてみたいと思うものでしたし、表紙にインパクトがあったこと、うまく巻き込んでトリミングしている点もよかったと思います。中面には説明的な写真もあるのですが、ふるさとを、お父さんを時々入れ込みながら、畳の跡だったり、そこでくつろいでいる家族の写真だったり、ロウソクだったり、一個一個が象徴的な写真の連続で、これが「『ただいま』の場所」だなと感じさせました。日本人のDNAに訴えかけてくる写真の並べ方をしていて、フォトブックという一つの写真集という点では、非常にうまかったと思います。
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