差し伸べたモミジのような小さな手。その手がつかもうとしているのは藤の花ではなく、夢や希望なのではないのでしょうか。小猿の可愛らしい動物写真というジャンルを遥かに超えた、見る側にさまざまな思いを喚起させてくれる、メッセージ性の高い作品です。特筆すべきは、作者の小猿を見守る温かな眼差し。それでいて光のとらえ方、背景の処理、画面配分など、隙のないテクニックも兼ね備えています。お見事です。
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