- 「コロナ禍のかずら橋」
- 香取 幸夫
自由写真部門審査員 :野町 和嘉
時代性がしっかりと反映された作品です。誰もが一様にマスクを装着しており、本来は朗々と和やかなはずのワンシーンが、全体的に重苦しさと緊張感をまとって描写されています。技術的に見ても、橋の直線と川の曲線、人物の配置など、総合的な構成力の高さが感じられます。時世を意識したという点で他の応募作品と一線を画す明快なメッセージとなりました。
ネイチャーフォト部門審査員 : 小松 ひとみ
人と自然が共存共栄しながらつくり上げた風光明媚な風土の象徴「かずら橋」。橋の上に注目してみると、マスクを着用した大勢の人々が観光や撮影を楽しんでいます。陽射しや人々の服装などから、夏の暑い日であることが伝わってきます。家で引きこもりがちなコロナ禍にあって、誰しも自然の景色を求めているのでしょう。今だからこそ撮ることのできた説得力のある秀作です。
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