- 「宿題嫌だ~」
- 平本 貴範
審査員 : 清水 哲朗
近年、稀に見る傑作の誕生です。と言ったら、奥様にもお子様にも怒られるかもしれませんが、作品としてのインパクトの強さ、それぞれの人物像、周辺環境の描写に至るまで完璧ですね。二人が横並びしているところなど、映画「家族ゲーム」の食卓シーンを彷彿とさせてくれます。この“リアルにヤバい”張り詰めた空気はどんな役者もかなわないでしょう。背後に写る時計を見れば、事の重大さにさらに気づき想像力はMAXに。離れた位置からこっそりと撮影した作者の勇気はなかなかですが、動揺からかピントが少し甘くなってしまったのはご愛嬌。この後、シャッター音に気づかれて火に油を注いでしまったのかどうか、シャッターを切った前後まで想像(心配)させるあたりは名作・傑作の宿命です。最後にお伝えしておくとしたら、その火の粉がくれぐれも作品を評価した審査員まで飛んでくることのないようにただただ祈っています。
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