初見から強く印象に残っていた作品で、星景写真と人物を組み合わせた、撮れそうで撮れない写真だと思います。雲が織りなす形状が美しく、自然の事象をきちんと作品として落とし込んでいるところに驚かされます。人物は控えめなサイズで画面端に配されており、これにより夜空のスケール感が見事に演出されています。人間は宇宙と比べほんの小さな存在であるとでも訴えかけているようで、ついつい想像が掻き立てられます。たった一枚で宇宙の神秘に触れたような思いに浸れる、大賞にふさわしい作品です。
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