審査員 : 榎並 悦子
男の子とその傍らに「1」の数、印象的で目に留まる表紙です。帽子や「1」に見られる色彩的なセンスもいいですね。もし何冊もブックが並んでいたら、きっと一番に手に取りたくなるような仕上がりです。またタイトルも斬新。ページをめくると再び「1」がお目見えし、1年生になったという意味であることがわかります。入学式前でしょうか。お家の中でランドセルを背負ったり、その姿を妹に見せびらかしたり…。ワクワクの臨場感が伝わってきます。導入部分は春、桜、入学という流れです。お子さんの入学式であれば誰しもこういう感じで写真を撮ると思いますが、それだけではなく、途中には夏休みの光景も入ってきたりとお子さんの一年間がここに凝縮されています。終わり方もよく、洗濯した上履きや成績表があって、流れからすると冬休みということが伺え、この余韻がなんともいえません。ここに出てくる写真は奇をてらったものではなく、親が目にするごく日常の風景。それを一冊にまとめることで、「お子さんの感情」や「1年という時間」が強調され、構成の上手さを感じさせます。
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