- 「耳’S」
- 齋藤 雄来
自由写真部門審査員 :広川 泰士
よくぞこうした場面に出会いましたね。シカの顔はほとんど見えませんが、この意表を突いた構図とユーモア、そして柔らかな逆光が良いと思います。これは少しやられたといいますか、想像していなかった作品です。巡り会いの幸運もあるけれども、それをきちんと写真として収めているセンスと技術力も素晴らしいです。
日本の文化部門審査員 : 浅井 愼平
大賞が決まるまで、なかなかの議論がありました。写真はいろいろな情景を伝えてくれるものですが、この作品には非常に個性的な視点を感じます。うっかりすると見過ごしそうなシーンですが、これも立派な写真表現の一つです。こうした作品が選ばれたことで、多様な表現がこのコンテストに求められていると実感しました。
ネイチャーフォト部門審査員 : 川隅 功
まずはシカを漠然と撮ろうと考えられたと思いますが、一瞬閃き、このフレーミングでシャッターを切られたと思います。素晴らしいカメラテクニックで、この一瞬に作者が何を見ているのかがストレートに伝わってきます。また、少し後ろからの斜光線が入ることで、毛並みがフィルムで撮影した時のような、非常に柔らかい感じになっていますね。
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