昔からポジフィルムを使ってスライドショーをやっていましたが、写真を何枚も組み合わせて本を作るというシステムができたのは夢のような話。写真の組み合わせや見せ方を考えるという点において、フォトブックは写真展と同じかもしれません。
僕は、フォトブックは写真展を安価にできる手段でないかと思っています。自分の作品をまとめて見せられるものを持ち歩けるのも便利です。新しい時代の新しい写真の楽しみ方として、ぜひチャレンジしてください。
何を撮っていいか分からないときは、僕は、「ルール化」してみようと考えます。例えば、「手をつないでいる人を見つけたら必ず撮る」と自分でルール化する。追いかけるうちに、カップル、おじいちゃんとお孫さん、小学生同士、など色々なパターンが見えてくる。これを一日本気でやって、プリントしてその日のベスト10を決める。2回目も同様にチャレンジして1日目と合わせて勝ち抜いたベスト10を決める。まずはそれを続けてみてください。
一つの言葉では置き換えられない感情を、何枚もの写真を組み合わせて作っていく。フォトブックにはそんな面白さがあります。例えば、美しいという言葉では収まらないような風景とか、言葉で表現しようと思ってもなかなかその実態が伝えられないもの。それを複数枚の写真の組み合わせで見せていくことに、フォトブックの最も根本的な魅力と、一番目指すべき面白さがあると思います。